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駿風
2025.02.01

「駿風」2025年2月

「便りが無いのは良い便り」ということわざがある。毎年多くの学生が卒業する中で、次のステージでの活躍を願う気持ちから、「だから何もなければ卒業後に連絡はいらないよ、でも何かあったら遠慮なく連絡してほしい」と伝えている。

そのようなわけで、卒業生からの連絡は何らかの相談が中心である。コロナ禍前後でこの相談の内容に大きな変化があった。コロナ禍前に多かった連絡の一つは、「結婚披露宴でのスピーチ依頼」である。喜んで引き受けていたが、最近はパッタリなくなってしまった。

また、コロナ禍中に突然訪問してきた卒業生もいた。東京を離れて就職した学生で、近くに来たので寄ったとのことであった。人と話す機会が減って気分も落ち込んでいるようであったが、1時間ほど話をしてだいぶ心も晴れたようで、元気に帰って行った。

このように私自身は、大学が「帰ってこられる場所」であってほしいと思う。学生には、この「帰ってこられる場所」を心の支えの一つとして、社会で大いに活躍してほしいと願っている。そしてたまには「良い便り」を聞きたいなと思ってもいる。

明治大学広報第794号(2025年2月1日発行)掲載