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駿風
2026.08.01

「駿風」2026年8月

校舎の姿は新しくなっても、そこに吹く風の匂いや、行き交う学生たちのにぎわいは、どこか昔のままである。時代が移ろっても、大学には変わらず受け継がれる風景がある。そのような日常の中に、今では当たり前のように寄り添う、小さな紫紺の翼がある。

私たちのキャンパスに一羽の愛らしいフクロウが宿ったのは、つい昨日のことのようでもあり、ずっと昔からそこにいたようでもある。初めはささやかな存在だった。しかし、学生や保護者、校友の温かなまなざしに育まれ、いつしか揺るぎない「大学の顔」となった。それは、多くの人が母校へ寄せる思いが形となった、幸福な歩みの証明なのだと思う。

大学の公式キャラクターとは、ただの愛らしい意匠ではない。建学の精神をやわらかく代弁し、「母校を愛する心」を静かにつないでいく存在である。その姿に触れるたび、人は母校で過ごした時間を思い出す。

知恵の森の賢者は、今日も変わらぬ優しいまなざしで、紫紺の日々を見つめている。近く訪れる大きな祝祭の予感を、その小さな翼にそっと宿しながら。

明治大学広報第812号(2026年8月1日発行)掲載