駿風
2026.09.01
「駿風」2026年9月
私は、もともと教員を目指していたわけではないが、縁あって大学に職を得て、教育に携わってきた。教員になって、よかったと思うことがある。
一つは、学生たちが成長する様を見ることである。1年生の時には頼りなげだった学生が、4年生になって堂々と卒業論文の進み具合を報告したり、教育実習で教壇に立ったりする姿に目を見張ることがある。海外自習などでは、わずか数日のうちに何かを発見し、目の色を変える瞬間に立ち会うこともある。もちろん、誰もが目に見える形で成長するわけではないが。
学生たちは自ら育っていくものだ。それを少しでも後押しできたのであれば、うれしい。
もう一つは、卒業後の学生たちとの往来である。中でも、学部生以上に密接な研究生活をともにした大学院生、特に留学生との縁は深い。学位を取った留学生はもちろん、協定校留学や研修で1年間在籍した学生からも、折に触れあいさつがある。こちらが会議や調査で現地を訪ねると集まってくれる。そこでまた、教え子たちの成長に目を見張るのである。
明治大学広報第813号(2026年9月1日発行)掲載
