駿風
2024.06.01
「駿風」2024年6月
新聞やテレビ、インターネットなどのメディア上では「激動」「変動」といった言葉が頻繁に躍る。例えば、手元にある新聞の自動車産業特集では、「世界の自動車産業はいまかつてない地殻変動の時代を迎えている」とある。電気自動車や自動運転時代の到来が予測される今、車好きの筆者としても心躍る。
消費者の購買傾向も近年は「モノからコトへ」という変化が生じているとよく言われる。別の記事では、「ここ1、2年、消費者のモノ離れが 喧伝 される。つまり、衣類や耐久消費財に代表されるモノにはある程度満足してしまい、むしろ情報とかサービス、文化など無形の商品を求める傾向が強まったというのだ」と報じている。
こうした時代の変化を読み解ける人間を社会に送り出すのが、大学の重要な役目の一つである。情報の上げ下げで耳目を集めるのがメディアの常套手段ではあるが、学生には世に氾濫する浅薄な言説に惑わされないための思考力をぜひとも養ってほしい。
ちなみに紹介した新聞記事の日付は、それぞれ「1981年10月29日」と「1983年10月12日」である。
明治大学広報第786号(2024年6月1日発行)掲載