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2025.04.09

就職活動に関する1年次からの準備|総合数理学部 専任教授 福山良和

学生相談室相談員 総合数理学部 専任教授 福山良和

私は大学教員になる前、電機メーカーでリクルーターを務めており、毎年、学生を自分の企業に勧誘してきた。また、2013年に明治大学に移ってからは就職キャリア支援委員として、さまざまな企業のリクルーターの方と話をし、学生に指導をしてきた。このような経験から、ここでは、特に新入生と父母の皆さま向けに、就職活動に向けての準備について書いておきたい。 

大学1年次からは、より高度な科目の授業が始まり、「なぜ、自分がこのようなことを勉強しなければならないのか」と疑問を持つ学生が多くなる。これを解決するためには、早く将来やりたいことを決めることが必要だと思っている。例えば、私の専門であるAIの産業応用を例にすると、1年次の科目である線形代数や微分積分は、データサイエンティストには必須となる。データ分析手法の本質は、数学が分かっていないと理解できず、他社と差別化できるような技術開発もできない。

このように、大学で修得する学問は、何らかの形で自分の将来に直結している。どのように関係しているかが分かれば、学習の意味も分かるので、勉強にも力が入る。このためにも、父母の皆さまには、できるだけ早く「人生のやりたいことの探し方」「業界地図」などの本で、お子さんの「人生の目標」や「どのような業界に興味があるのか」を見つけるサポートをしていただきたい。

近年、就職活動が早期化してきており、企業は、いろいろな方法で早期選考を進めている。2023年度からは、企業がインターンシップで得た学生情報を採用選考活動に使用できるようになったため、インターンシップの重要性が高まっている。そのため、2年次からインターンシップに参加する学生も増えている。その際、人生の目標が明確になっていないと、エントリーシートで、「なぜ、この会社のインターンシップに参加したいのか」という質問に対して、相手の心に響く言葉が書けない。「この業界を知りたいから」だけでは、残念ながら通る時代ではない。

また、本番の就職活動では、3年次の5月末までに企業研究を終えて、夏のインターンシップのエントリーシートには、上記に加え、「どのようにその会社に貢献できるのか」も記述する必要がある。このためには、遅くとも、2年次になったら自分の人生の目標を考え、業界研究や企業研究を始められると良い。(※)

明治大学は、「就職の明治」と言われるように、各キャンパスの就職キャリア支援センターで、就職活動の始め方や会社の合同説明会、エントリーシートの書き方、面接練習など、幅広い情報を提供してサポートしているので、フルに活用して充実した就職活動を進めてもらいたい。

また、学生生活で困ったときに相談できる部門として、各キャンパスに学生相談室がある。私も、総合数理学部から選出されて相談員を務めている。秘密を守って相談できるところなので、安心して利用してほしい。

※ 就職活動を行う年や業種・職種によって、スケジュールや必要な準備は異なります

ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事執筆当時(2025/2)のものです。