学生相談業務を経験して|法学部 専任教授 髙木正則
学生相談室相談員 法学部 専任教授 髙木正則
本学の学生相談室は1959年に和泉キャンパスに設置されて以来、その歴史は65年余りの長きに及ぶが、現在では、駿河台・和泉・生田・中野の各キャンパスにおいて、学生の相談に応じている。法学部の専任教員である私は、2024年4月から相談員として、授業期間中に週1回2時間、駿河台の学生相談室で相談業務に従事している。
本相談室は「よろず相談所」と銘打っていることから、学生の相談内容もさまざまであるが、真面目に勉学に取り組んでもなかなか理解が進まないという学生や、進路に悩む学生が少なからず相談に来室した。
教員は皆、学生に理解してもらえるよう真剣に工夫しながら、授業やゼミに取り組んでいる。他の教員には及ばないかもしれないが、私も自分なりに努力している。受講生の質問や感想など反応を知ろうと思えば、ゼミでは学生との距離が近いから気軽に話すことができるし、大教室の授業に関してはOh-o! Meijiのアンケート機能を使うなど、いくつかの手段はある。
しかし、例えば教員が「なんでも遠慮なく聞いてほしい」と言っても、「授業に毎回出席し、自宅でも予習・復習しているが、理解が進まないのでどのように学習に取り組んだら良いかを質問しても良いのだろうか」と、学生が担当教員に質問することを遠慮し、ますます理解が進まなくなってしまうこともある。また、進路については、就職活動上のさまざまな不安を訴える学生がいる一方で、大学院進学に関して進学希望先の教授との適切なコンタクトの取り方についてなどの相談もあった。
私はこうした学生の相談にアドバイスをしてきたが、相談後に明るい表情になって相談室を後にする学生を見ると、とても報われた気持ちになる。と同時に、自分の授業や普段の学生への対応について、自省する機会になったという気持ちにもなる。
以前、私の知人で明治大学とは別の大学の教員から、「大学教員は学生によって教えられることが多い」と言われたことがあるが、まさにそのような気持ちであり、1年少々という短期間に過ぎないが、学生相談員を経験したことで教員として少しは成長できたような思いである。
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