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相談室の窓から
2026.04.16

前向きな「依存」のプラットフォームとして|文学部 専任教授 関根宏朗 

学生相談室相談員 文学部 専任教授 関根宏朗

例えば、「依存・依存症(addiction, dependence)」という言葉は、しばしばネガティブなニュアンスで用いられますが、一般的に誰かに頼り過度に依存するのは良くないこととして受け取られがちです。しかし、こと教育の場面に関しては、必ずしもその限りではありません。

精神分析の流れをくむ発達理論の中には、他者への依存を成長に必要なプロセスとして認めているものも複数あります(関根宏朗「依存」教育思想史学会 編『教育思想事典 増補改訂版』勁草書房、2017年、29頁)。時に誰かに頼り、頼られ、その中で逆説的に各人の自律性が刺激づけられてゆく。そのような前向きなステップの途上において、誰かに寄りかかるための一つの足場として、明治大学では長く「学生相談室」が運営されています。

すでに四半世紀前、大学進学率の漸増とともに変わりゆく高等教育の環境を踏まえて、文部省高等教育局は以下のような「報告」を示しました。「これまで、学生相談機関は、問題のある一部の特別な学生が行くところというイメージが根強くあったが、本来、学生相談は全ての学生を対象として、学生のさまざまな悩みに応えることにより、その人間的な成長を図るものであり、……大学教育の一環として位置づける必要がある」(文部省高等教育局・大学における学生生活の充実に関する調査研究会、2000年6月、下線強調は関根)。

まさに、「全ての学生」の「さまざまな悩みに応える」べく、明治大学では多様なスタッフが連携してそうした環境を整えています。各キャンパスに設置された相談室には、こまやかにインテーク(相談とニーズの把握)を進めてくださる事務職員の方々と共に、各学部等から2人ずつ選出された教員相談員が分担して在室しています。

また、弁護士や精神科医、カウンセラーといった専門職の方々もここに参加し、もちろん全て無料にて専門的な知見を頼ることができます。必要に応じて英語と中国語でも対応しており、さらには24時間オープンの専門ダイヤル(学外相談機関)も存在します。履修や進路選択を巡るふとした疑問、学生生活の小さな不安、さまざまなニーズに応えることができる場所です。ぜひ、お気軽にご利用いただければと思います。

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