学生相談室相談員 理工学部 専任准教授 野原 雄一
学生相談室主催の学生向けイベントで何回か数学の話をしました。「無限」の不思議な性質など、中学や高校では習わないような少し深い話がテーマでしたが、主に理系の学生が通う生田キャンパスでの開催にも関わらず、文系も含めていろいろな学部の学生さんが参加してくれました。想像していたよりも多くの人が数学に興味を持っているのだと感じると同時に、さまざまな分野の専門家の話を気軽に聴くことができるのは大学ならではだと思いました。
大学は、興味のあることを深く学べる場所です。履修する授業を自分で決めることができ(初めは必修科目が多いので、選択の余地は少ないかもしれませんが)、他学部や他学科の授業を聴きに行くこともできます。大学の教員は研究者でもあるので、最先端の研究に関する話も聴けるかもしれません。有志の学生が集まって自主ゼミをすることもあります。
一方で、「学ぶ」が「研究」に近づくということは、自分の頭で考えるべきことが増えるということでもあります。教科書の内容を覚えるだけの勉強を続けているために、大学の授業についていけなくなっている人は少なくありません。授業の難易度の違いに戸惑うこともあるかと思いますが、悩むことも成長のための大事なプロセスなので、焦らずに時間をかけて慣れていってください。
大学では、学業以外の面でも自分で考えて決めなければいけないことが増えます。困ったときは友達や家族、教職員など、周りの人に相談してください。勉強に関することなら、学習支援室でTA(ティーチングアシスタント)に相談することができます。また、学生相談室には弁護士や精神科医、カウンセラー、教員相談員がおり、法律的な問題から人間関係や学業の悩みまで幅広く相談することができます。冒頭で紹介した、学生相談室が開催しているイベントは誰でも参加できるので、そこで他学部・他学科の教員や学生と知り合いになることもできます。何でも気軽に相談できる場所の一つとして、学生相談室の存在を頭の片隅に置いておいていただければと思います。
大学の自由な環境を活用して、実り多い大学生活を送ってください。
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