第648回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文・写真/杉田 凜(情コミ3)
サムライジャパンにも選出経験のある同郷の谷光未有選手(2018年法卒・現アトレティコサンセバスチャン)に憧れ、明大に入学した児玉。横田高3年次には全国大会3冠を成し遂げ、まさに最強の無敗世代のエースとして活躍した実績の持ち主だ。自身の強みを「ショートパスでどんどん崩していくことがストロングポイント」と表し、MFとしてチームの中核を担う。
1年次からスタメンに出場し続けるも、ケガに苦しめられ、通年で無得点と振るわず。「去年は4年生に頼り過ぎていた」と、本来のプレーは発揮できなかった。2年生になり迎えた今年度の関東学生春季1部リーグ戦。準決勝ではプレッシャーのかかるPSを決め、勢いをもたらした。決勝では下級生の活躍が光り、難敵・山梨学大に勝利。44年ぶりのリーグ戦3季連続優勝を果たした。「今年は自分から行こうと思っていた」と積極的なホッケーを発揮し、明大最多の4得点を決め、初めてベストイレブンに選出される飛躍を遂げた。
全日本大学王座決定戦(王座)準々決勝のSO(シュートアウト)戦では、重圧のかかる5人目で登場。しかし失敗に終わり、2ー2のまま6人目に突入。親友の吉田登以(商2=丹生)が成功させ、準決勝へ勝ち進んだ。試合後、激戦を制し安堵の表情を見せる選手たちの中、児玉の目には涙が浮かんでいた。王座では無得点無アシストと、悔いの残る結果となった。
栄光と挫折の両方を経験し、より一層厚みを増した上半期。1987年以来遠ざかる「日本一」を勝ち取るためのキーマンとなるだろう。
(こだま・ひなた 政経2 横田 168cm・64kg)
明治大学広報第789号(2024年9月1日発行)掲載