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2024.10.01

主将として挑む学生ラストシーズン|スケート部フィギュア部門 大島光翔

スケート部(フィギュア)スポーツ

第649回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文・写真/髙橋 未羽(政経2)

斬新な演技で氷上を舞い、多くの観客を沸かせるフィギュアスケーター。“スタァ”の愛称を持つ大島が主将として学生ラストシーズンを迎える。

元プロスケーターで現コーチの父・淳さんに連れられ、2歳の時に初めて氷の上に乗った。本格的に競技を始めたのは小学2年時。そこからわずか3年で全日本ノービス選手権3位と全国トップクラスに上り詰め、輝かしい成績を収めた。しかし、中学に進学し部門が変わると「滑りの面で一歩の大きさが違って、数倍大きなジャンプを跳んでいた」と先輩たちの演技に圧倒される。歴然とした実力の差を感じ落ち込むことも多かったという。

それでも幼い頃から試合をしてきた仲間たちと高め合い、前を向いて練習に励み続けた。その成果が表れたのは2020年、高校2年時の全日本ジュニア選手権だ。FS(フリースケーティング)で2位の成績を収め、総合5位入賞を果たす。この大会が転機となり、全国上位で戦う覚悟が芽生えた。

昨年度の全日本選手権(全日本)では『スーパーマリオブラザーズ』の楽曲を使用したユーモアあふれる演技を披露。SNSで話題となり一躍全国にその名をはせた。しかし結果は総合22位。強化選手入りの条件である12位以内を目標としていた大島にとっては無念の結果に。「全日本に向けて調整して1年間頑張ってきたので、目標とはかけ離れた成績になってしまったのが一番悔しい」。試合後は悔しさのあまり涙を流すも、見ている人を楽しませるという大島の思いはしっかりと伝わった。

これから迎えるのは、主将として挑む学生最後のシーズン。選んだFSは父・淳さんがプロスケーター最後のアイスショーで披露した『デスペラード』。小さい頃からいつか使いたいと思っていた曲だという。思い入れのある楽曲で舞うスタァの演技は多くの人々を魅了するはずだ。

(おおしま・こうしょう 政経4 立教新座 171cm・61kg)

明治大学広報第790号(2024年10月1日発行)掲載