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2024.11.01

ラストイヤーで有終の美を|硬式庭球部 山中朝陽

硬式庭球部スポーツ

第650回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/保坂 啓太郎(農2) 写真/髙橋 未羽(政経2)

今夏40年ぶりに関東大学男子1部リーグ戦で早慶両大学に勝利した男子硬式庭球部。この歴史的記録の立役者となったのが山中朝陽だ。山中は今リーグ戦のシングルス・ダブルス全てに出場し、シングルス全勝、ダブルスも3勝2敗とチームを引っ張る活躍を見せた。

そんな山中がテニスを始めたのは5歳の頃。父親と知人のコーチに教わりながら始まったテニス人生だが順風満帆にはいかなかった。大会に出場していたもののあまり良い結果を残せず、小学5年時には腰椎分離症を発症し半年以上テニスができなくなった。しかし、ケガを乗り越えた山中は着実に実力を伸ばし、中学時代には東海大会を2連覇。初めて全国大会にも出場し、身体的、精神的に大きく成長した。

高校でも全国大会にはコンスタントに出場。だが高校の壁は厚く、「どんどん成績が落ちて、自分のテニスが分からなくなった」と振り返る。最後のインターハイでは不運にも1年生にメンバーを奪われた。それでもテニスと向き合い続けた山中は、1カ月後の国民体育大会(国体)の予選で勝ち残り、見事メンバーに選ばれる。「地元の三重で国体が開催されることは、小学生の頃からずっと分かっていた。長年の目標だった国体のメンバーに選ばれたことは本当にうれしかった」。

明大に入学した山中は1年次から結果を残す。ダブルスにおいて関東学生選手権で準優勝を収めると、続く全日本学生室内選手権でベスト4に輝く。今年度は全日本学生選手権のシングルスでベスト16に入る好調を見せた。「本職のシングルスでずっと勝ちたいと思っていた。今は自分の強みを信じて迷わずプレーできている」。硬式庭球部はリーグ戦で世代交代となった。大学テニスのラストイヤーを優勝で飾れるか。

(やまなか・あさひ 文3 四日市工)

明治大学広報第791号(2024年11月1日発行)掲載