第663回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/橋場 涼斗(理工学部2年) 写真/堀口 心遥(政治経済学部3年)

高校3年時には全国ベスト4に輝き、世代屈指の左利きRB(ライトバック)としてチームに加わった熊谷継。1年目から中心選手となり、明大ハンドボール部の躍進に大きく貢献している。
入学直後の関東学生春季1部リーグ戦(春リーグ)では初戦からコートに立ち、強敵・日大相手に4得点。「間を割っていく練習をしていたので、成果が出て良かった」。その後も全試合に出場して存在感を示す。チームは春リーグ3位となり、入替戦に回った昨年度からの浮上を成し遂げた。
秋リーグは、春に大敗を喫した順大に対し「何としても勝ちたいという思いがあった」と最多の8得点。リベンジに成功し波に乗った明大は開幕6連勝を果たした。しかし熊谷は首位攻防戦の対国士大戦で無得点に終わり、2位を懸けた最終戦もケガの影響で出場なし。チームも春と同じ3位に終わった。それでも「春より確実に力を付けて秋を終えることができた」と、確かな手応えとともに全日本学生選手権(インカレ)へと準備を進めた。
優勝を目指したインカレで、熊谷は満を持して全試合にスタメン出場した。持ち味のフェイントシュートで得点を積み重ね、積極的な攻撃で相手のマークを誘い味方の得点を演出。2回戦では中大に対し、試合終盤に同点とする貴重なゴールを決めて優勢に持ち込み、4連覇中の相手から大金星を挙げた。
チームは勢いのまま、創部史上初のインカレ優勝。目標達成に満足感をかみ締めつつも、自身のプレーには厳しい評価を下した。「優勝できてうれしいが、個人としては改善点が多く残る大会だった。もう少しチャレンジできた場面があったと思う」。貪欲な姿勢を崩さずにさらなる成長を誓う黄金ルーキーの活躍に、今後も注目だ。
(くまがい・けい 農学部1年 藤代紫水高校 178cm・78kg)
明治大学広報第804号(2025年12月1日発行)掲載


