第669回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/吉澤 真穂(政治経済学部2年) 写真/早坂 春佑(政治経済学部3年)

ソフトテニス部員として体育会に所属しながら、この春、早期卒業を果たした小宮彰悟。競技と学業の両立という容易ではない挑戦の裏には、不断の努力と揺るがぬ覚悟があった。
母と祖父の影響でソフトテニスに親しみ、中高一貫の強豪、上宮学園中学・上宮高校へ進学した。中学時に全国準優勝、高校時にはベスト5に入るなど実績を残した一方、学業においても手を抜かなかった。「中学3年時から両立を意識し、先輩の助言を受けながら勉強にも力を入れた」。そして、両面を高いレベルで追求できる環境を求め、明大に進んだ。
その歩みに確かな覚悟をもたらす出来事が、大学1年時に訪れる。全日本大学王座決定戦(王座)決勝の前日。「祖母が危ないと連絡を受けたが、チームが日本一になる瞬間を見届けることを選んだ」。男子は王座を制覇。しかし帰宅後、祖母の訃報を知る。「何ができるか考えた時、今生きている家族に早く恩返しすることだと気づいた」。その日から小宮は、誰よりも勉学と競技に打ち込んだ。
「大学では要領の良さを学び、同期の存在にも励まされた」。努力を重ねた先にあった早期卒業という節目。現在は大学院と専門学校のダブルスクールをこなし、競技も続けている。
「もう一度大学をやり直してもこの道を選ぶ」。全てを受け入れ、力に変えていった小宮。その根底には、中高時代の恩師に教わった「精進」という言葉がある。その言葉通り、小宮は今日もひたむきに前だけを見て走り続けている
(こみや・しょうご 大学院経営学研究科 博士前期課程1年 上宮高校 172cm・65kg)
明治大学広報第810号(2026年6月1日発行)掲載


