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ズームアップ
2024.04.03

常に更新し続けて(自転車部 小泉 響貴)

自転車部スポーツ

第643回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ
文/成田 美彩子(文1) 写真/長﨑 昇太(商2)

選手として活躍した父親の影響を受け、小学生の頃に競技を始める。最初は遊び半分で自転車に乗っていた。大会で結果を残すうちに、普段は味わえない喜びの感覚に無我夢中に。ますます競技に熱中し「絶対に自転車部に入部しようと決めていた」と、数少ない自転車部がある浦和北高に進学した。

しかし、高校1年次は「勉強の成績があまり良くなく、自転車に集中できなかった」と部活に全力を注げないまま終える。加えて新型コロナウイルス感染症の流行も重なり、チーム練習の時間も取れない日々が続いた。それでも、父をはじめとする家族の存在が彼を後押しした。同じ自転車競技者として、小泉を常に支えていた父と姉。「競輪場内でオートバイで先導してもらいながら走行する練習をしていた」。父は自転車の師として、姉はメンタルトレーナーとして、彼の背中を押し続けた。そして迎えた最後のインターハイ。血のにじむ努力の末、見事に個人成績2位を獲得し、チームの総合優勝に貢献した。

快進撃は明大入学後も止まらない。3月10日の明治神宮外苑大学クリテリウムでは、最終スプリントで他の選手に差をつけ1位でゴール。その結果、年間15戦を通じて獲得ポイントを競う2023年度全日本学生ロードレース・カップ・シリーズの総合優勝という快挙も達成。「人生を懸けて練習していて、今までで一番うれしかった」と喜びを表現した。また、常に明るい笑顔が印象的な小泉だが、試合後に母と抱擁を交わした際には涙を流す場面もあった。

彼の目指すステージはさらに高く、現在はプロサイクルチームにも所属するなど活躍の幅は広い。「小泉響貴には誰も勝てないと思われるくらいビッグな存在になる」。春はまだ始まったばかり。今後も彼が拳を振り上げる姿に期待が高まる。

(政経2 177㎝ 71㎏)

記事中の役職や学年などは、原則として取材時や2024年3月時点のものです