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2025.06.03

英国屈指のアスパラガス生産者が野菜園芸学研究室(元木悟教授)を訪問|農学部

農学部

英国屈指の規模を誇るアスパラガス農場コブリー・ファームズのChinn夫妻は、5月20日、農学部・元木悟研究室(野菜園芸学研究室)を訪問し、同研究室が開発したアスパラガスの新栽培法「採りっきり栽培(※1)」の導入に関する情報交換を行った。

コブリー・ファームズは、英国のヘレフォードシャーで1925年に設立された歴史ある農場。総面積は2000ヘクタール以上で、そのうち1000ヘクタール以上の面積でアスパラガスが栽培されている。

今回、Chinn夫妻は日本のアスパラガスの栽培方法を英国の自農場に導入することを目的に来日。野菜園芸学研究室のほか、ハウス半促成長期どり栽培(※2)を行っている九州や東海地方の生産者など、複数の生産者を訪問した。

※1 採りっきり栽培:正式名称「1年養成株全収穫栽培法」。アスパラガスにおける世界初の1年収穫による輪作栽培法
※2 半促成長期どり栽培:収穫を毎年春から秋まで10年程度続ける栽培法
元木教授とChinn夫妻

研究室への訪問に先立ち、5月19日には、野菜園芸学研究室の二見萌菜さん(博士前期課程1年)と柳澤樹さん(4年)が、Chinn夫妻および「採りっきり栽培」の共同研究者であるサナテックシード株式会社の担当者と共に、静岡県内のアスパラガス生産者2軒を訪問し、日本のアスパラガスの栽培方法について情報交換を行った。

1軒目のベルファーム株式会社では、香川県が開発した省力安定生産技術である新栽培法「枠板式高畝栽培」を導入しており、その先進的なアスパラガス栽培を視察した。2軒目の株式会社パシオス上村農園では、大規模なハウスを用いた半促成長期どり栽培を視察した後、選果場も視察した。

翌5月20日、Chinn夫妻が生田キャンパスを訪問。元木教授が「採りっきり栽培」について説明した後、野菜園芸学研究室の学生2人と共に、生田キャンパス内の栽培圃場を案内した。

その後の情報交換会では、Chinn夫妻が英国におけるアスパラガス栽培の現状を紹介。英国の気候を考慮した「採りっきり栽培」導入の可能性について議論し、Chinn夫妻は英国での試験栽培を開始することを決定した。同時に、本学でも英国の気候を想定した新たな栽培試験を行う運びとなった。

野菜園芸学研究室では、2026年夏にコブリー・ファームズを訪問する計画を立てており、「採りっきり栽培」を通じて英国と日本のさらなる交流の発展が期待される。(農学部事務室)

生田キャンパス内の栽培圃場