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2025.06.24

フィンランドの大統領夫人が来校―明治大学の法曹教育を村上ゼミで学ぶ

法学部虎に翼
法律を学んだ後のキャリアについて学生と語り合うイネス=ストゥブ夫人(中央)

フィンランド共和国大統領夫人のスザンヌ・イネス=ストゥブ氏が6月10日、駿河台キャンパスを訪れた。

この訪問は、フィンランド大統領夫妻の来日に合わせて実施されたもの。夫人は、石川県能登半島の中学・高校でALT(外国語指導助手)として勤務していた経験があり、今回の訪問の前日にはかつて授業をした高校を再訪し、生徒たちと交流を深めた。

夫人は現職の弁護士でもある。明治大学への訪問は、2024年度前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』のモデル・三淵嘉子氏の出身校であることから、駐日フィンランド大使館が関心を寄せたことがきっかけ。同作品の法律考証を担当した法学部教授の村上一博 大学史資料センター所長に打診があり、実現に至った。

一行を出迎えた柳谷孝理事長は「1940年に日本初の女性法曹3人を輩出した明治大学は、女性法曹養成機関の先駆け。村上ゼミとの交流をぜひ楽しんでほしい」とあいさつした。法学部教授の上野正雄学長は、フィンランドの大学で教壇に立つ夫人に「私も前職は裁判官。同じく法曹出身で教壇に立つ者として、お会いできて光栄に思う」と歓迎の言葉を述べた。

左から駐日フィンランド大使夫君ユッカ・ヤースケライネン氏、イネス=ストゥブ夫人、柳谷理事長、上野学長
出身国である英国からの交換留学生と、日本での生活について語るイネス=ストゥブ夫人

その後、一行は村上ゼミの授業に参加。村上教授の講義を通じて、日本における女性法曹の歴史について学んだ。ゼミでは、夫人が学生に「今後のキャリアをどのように考えているか」と問いかけ、学生たちはそれぞれ、大学院進学、弁護士、会計士、企業の法務担当、地元の市役所職員、警察官など、多様な進路を挙げた。

夫人は「私自身も政府機関や企業の法務部門など、さまざまなキャリアを経験してきた。どんな分野でも法律の知識は必ず役に立つ」と学生たちにエールを送った。

一行の訪問の締めくくりには、村上所長から夫人へ記念品として「法服めいじろう」が贈られた。

MEIJIの「M」ピースで村上ゼミと記念撮影。
前列中央からヤースケライネン氏、イネス=ストゥブ夫人、村上教授