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2026.07.01

「あぶら」の構造に着目した共同研究が学会でトピックス賞|農学部

農学部
金子准教授(右)、研究室の学生ら

農学部農芸化学科・金子賢太朗准教授の栄養生化学研究室が、東急不動産株式会社、株式会社学生情報センター(ナジック)と共同で行った食事脂質(あぶら)の摂取による健康効果に関する研究で、第80回日本栄養・食糧学会大会のトピックス賞を受賞した。

この研究は、あぶらを単に摂取量の「多い・少ない」だけでなく、「どのような構造を持つか」という観点から捉え、その違いが健康に与える影響を検証したもの。脂肪酸組成は似ている一方で、脂質構造が異なるラードと牛脂に着目し、ヒトとマウスを対象に、睡眠、血糖変動、皮膚状態などへの影響を調べた。

ヒトを対象とした検証では、東急不動産が企画開発し、ナジックが運営する学生レジデンス「キャンパスヴィレッジ生田」の入居学生を対象に、4週間の介入試験を実施。平日の夕食として、ラードベースまたは牛脂ベースの食事を提供し、健康指標への影響を比較した。

その結果、体重や血糖変動、皮膚パラメータに大きな差は見られなかった一方で、ラードベースの夕食を摂取した学生は、牛脂群や自由選択食群と比較して、睡眠スコアが一貫して高いことが分かった。マウスを用いた実験でも、ラード摂取により休息期の睡眠量が増加し、睡眠の連続性も高まることが確認された。これらの結果は、食事に含まれる脂質の構造的な違いが、健康状態、とりわけ睡眠に影響し得ることを示している。

金子研究室では、食・栄養シグナルと生体の関係を探究し、食による健康長寿社会の実現を目指した研究を進めている。今回の成果は、日常の食生活において、あぶらを構造的な違いから捉える重要性を示すものであり、新たな栄養戦略につながることが期待される。