
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場内のウーマンズパビリオン「WA」スペースで8月9日、法政大学・明治大学・関西大学によるシンポジウムが開催された。
これは3大学が締結している連携協力協定に基づく事業の一環。例年行ってきた学長・総長らによるシンポジウムが、今年は関西万博を会場に行われた。
テーマは「真のダイバーシティとWA!?~多様な人・理念・価値観が集まる大学キャンパスを舞台として~」。多様な人が集う教育・研究の場である大学の社会的使命について、事例紹介や意見交換が行われた。
冒頭の大学紹介では、上野正雄学長が、本学が1929年に専門部女子部を創設したことを契機に日本初の女性弁護士や女性裁判官を輩出してきた歴史を紹介。また、全盲の学生が本学の法科大学院を経て司法試験に合格したエピソードを取り上げ、現在も多様な学生が挑戦できる環境を整えていると説明した。
続く事例紹介では、浜本牧子副学長(総合政策担当)が登壇し、多様性を尊重し包摂性のあるキャンパスの実現に向けた支援体制を説明。ピア・サポートによる障がいのある学生や留学生への支援に加え、男女共同参画や性の多様性に配慮した取り組みを紹介した。


その後のパネルディスカッションでは、各大学の学長・総長ら登壇者が、多様性に対する考え方や課題、将来の展望について活発に意見を交わした。
会場には、大学関係者や学生のほか、ダイバーシティ推進に取り組む企業関係者も多数来場。各大学の取り組みや展望を広く共有する場となった。
法政大学、明治大学および関西大学による連携協力に関する協定
1880年代に創立された3大学は、いずれも設立時に「日本近代法の父」と呼ばれたボアソナード博士の強い影響を受けていることなど、歴史の共通点があることを契機として、2017年9月25日に協定が締結された。3大学それぞれの理念、特色を生かした大学間連携活動を通じて、相互の教育・研究の一層の進展を目指す。産学連携や地域社会への貢献活動、国際学術交流その他の諸活動を積極的に推進することにより、優れた人材の育成と真理の探究という大学本来の使命を実現し、地域社会ひいては国際社会の発展に寄与することを目的としている。