勤務先 | 株式会社 静岡第一テレビ(マスコミ/アナウンサー職) |
現在の仕事について教えてください。
日本テレビ系列、静岡の放送局でアナウンサーをしています。3月までは毎週日曜夕方に静岡県で放送していたスポーツ番組「Dスポ」を6年間担当していましたが、4月からは「Dスポ」がサッカー番組「KICK OFF! SHIZUOKA」に変わり、引き続きMCを務めています。DAZNや地上波のJリーグ中継のリポーターも担当し、スポーツを主軸に活動しています。年末年始の全国高等学校サッカー選手権大会では、県大会で実況にも挑戦させていただきました。
静岡の平日夕方放送の情報番組「まるごと」や、全国放送の「ZIP!」「ヒルナンデス!」などの出演機会もあり、幅広くアナウンサーの仕事をしています。
臼井さんのスポーツ番組担当日の1日の流れ
8:30 | 出社 新聞チェック。当日取材に行くチームの情報などを集める |
8:45 | 会社を出発 高校サッカーの取材へ |
10:00 | キックオフ 試合を観戦。実況やリポートの練習をぶつぶつ唱えながら観戦。選手の名前や特徴を覚えるチャンス! |
12:00 | 試合終了 監督や選手に取材 |
13:30 | 帰社 当日のVTRをチェック! |
15:00 | 台本を確認。プロデューサー、総合演出と打ち合わせ |
15:45 | スタジオコメンテーターと打ち合わせ~リハーサル |
17:00 | 生放送スタート |
17:30 | 放送終了 |
18:00 | 反省会 |
19:00 | 退社 |
現在の仕事を選んだきっかけを教えてください。
2004年アテネ五輪の体操男子団体決勝、当時9歳だった私は両親と一緒にテレビにかじりついて中継を見ていました。金メダルが決まる瞬間の「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」という実況。当時ももちろん感動しましたが、数年経ってその実況を聞いた時、当時の自分の感情や光景を鮮明に思い出しました。言葉を添えることで、瞬間的なスポーツシーンを、より人々の心に残し続けることができると感じた瞬間でした。
本格的にアナウンサーを志すようになったのは大学生になってからですが、元々テレビが大好きで、スポーツ中継に携わりたいという思いでテレビ局への就職を目指していました。静岡に来たのはご縁です!
明治大学での学びや活動が、現在のキャリアに生かされているところを具体的に教えてください。
あらゆる方向にアンテナを張り、全力を注いできた明治大学での経験は、全てが仕事に生かされていると感じています。私は数学が好きだったので、総合数理学部に一般選抜入学試験(現在の学部別入学試験)を受験して入学しました。大学に入ると、高校時代はインターハイにも出場したテニスをもう一度頑張りたいという思いが芽生え、体育会硬式庭球部に入部しました。また、大学3年次には、BSフジの学生キャスターも務めました。
多忙な日々でしたが、先生方が学生一人ひとりに向き合って指導してくださる環境だったことを強く覚えています。甘やかしてはもらえませんでしたが(笑)、3年次から所属した佐々木貴規研究室では、「菌の走化性」について研究しました。解明されていないものに対する自分なりの研究結果をまとめたり、いかにこのテーマを研究することに意味があるのかを言葉で伝えたりしたことが、今振り返るとアナウンサーの私にとっての原点かもしれません。
「明治で良かった」とダイレクトに感じる場面もあります。それは、各方面でご活躍の先輩方がいることです。スポーツにおいてもさまざまな競技の一流の方がいます。例えば、今はプロ野球解説者としてご活躍の川上憲伸さん。2019年ラグビーW杯の時は吉田義人さんにお世話になりました。
また、日頃取材している静岡県のサッカーチーム、ジュビロ磐田の10番・山田大記選手もサッカー部の元キャプテンです。たとえ年齢が離れていても、明治大学出身者として強いつながりが構築されることを体感しています。その関係性が、インタビューや取材の充実につながることも多々あります。
仕事をしていて一番うれしかったことは?
歴史的な瞬間に目の前で立ち会うことができた時や、重ねてきた取材が実った瞬間です。一番は決められませんね......。 静岡学園高等学校サッカー部が第98回全国高等学校サッカー選手権大会(2019年度)で優勝した時は感動しました。多くのメディアが注目しますが、ずっと取材を重ねている私たちの番組やインタビューには、緊張せずに高校生らしい表情を見せてくれるとうれしい気持ちになります。これは、ローカル局ならではの醍醐味かもしれません。
一番つらかったことや苦労したことを教えてください。
コロナ禍で顔を合わせて取材ができなかった時はつらかったです。全ての記者が一斉にリモートでお話を伺う方法しかなかったため、オリジナリティのある取材が難しかったり、選手の生き生きとした表情を撮影できなかったりと苦労しました。最近は徐々に対面でのインタビューや取材ができるようになってきて、「やはり顔を見て話すと会話も弾むなぁ」と実感しています。
仕事におけるマストアイテムはなんですか?
ストップウォッチや水なども必要不可欠ですが、私にとってのマストアイテムはリップです! 外で取材やロケをする中で、髪やお化粧が乱れても、リップさえつければなんとかなる気がしています!
今後の目標や将来に向けて努力していることを教えてください。
適切なタイミングで、ぴったりな言葉を瞬間的に発することができるかどうか、研究の日々です。どのスポーツシーンも、もう二度と訪れない大切な瞬間です。目の前の選手がより輝くように、目の前の試合をより多くの人に楽しんでいただけるように、表現のクオリティーを高められるよう努力しています。
また、スポーツは生き物です。例えば、サッカーにもトレンドがあり、戦術やチーム、選手たちがアップデートされていきます。小さな変化も逃さないよう、そして信頼関係の上に取材できるよう、現場にたくさん行くことを心掛けています。
明大生や受験生に向けてメッセージをお願いします。
明治大学という素晴らしい環境をぜひ生かしてください。 私はスポーツが好きで、自分のテニス部の活動以外にも、野球部やサッカー部、卓球部の試合を見に行ったり、ラグビー部の友人にお願いして練習を見に行ったりしたこともありました。 学業も、研究室の活動も、旅行も、全てが今の仕事につながっています。 積極的に、今しかない大切な時間を充実させてください!
※記事中に掲載した写真は撮影時のみマスクを外すなどの配慮をしております
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