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ようこそ研究室へ
2025.01.20

哲学の魅力は哲学者の世界観で世界をのぞけること。自分の前提を崩し、自ら再構築する|国際日本学部・美濃部仁ゼミ

国際日本学部教員学生ゼミ・研究室

明大生が、所属するゼミ・研究室を紹介する「ようこそ研究室へ」。今回は国際日本学部の中村さんが、美濃部仁ゼミナールを紹介してくれます!

ゼミ概要紹介

美濃部ゼミでは、自ら設定したテーマについて、文献読解やディスカッションを通して問いを深め研究を行っていきます。全体としてのテーマの定めがなく、自由度が高いことが特徴です。自身に根付いた興味関心を出発点とし、単に概要を学ぶだけではなく、「自分がどこに、なぜ引かれたのか」に重きを置き、自分の立場から捉えたものを大切にしています。

美濃部ゼミではこんなことを学んでいます!

3年次は、「自分が扱うテーマの範囲を絞り、進む方向を定めること」を第一の目標としています。春学期では各自で定めたテーマに沿って文献を読み、発表を行いました。秋学期は発表形式に加え、全員で文章を読み解き、ディスカッションに取り組んでいます。

4年次は、3年次での学習を基に、卒業論文の執筆に取りかかります。各ゼミ生の扱うテーマは幅広く、ヘーゲル哲学、言語哲学に始まり、社会学、古典文学、映画作品における関連性など多岐にわたります。

全体ディスカッションで扱っている文献全体ディスカッションで扱っている文献

アピールポイント

とりわけ「言葉」の比重が大きいため、「言葉」に対しての慎重さが身に付きます。同じ単語でも使用する人によって全く意味合いが異なるなど、日常ではあまり意識しないような向き合い方をする機会がとても多いです。

また、哲学は自分の当たり前や前提をいったん崩して、自ら再構成していく営みです。知らなくても問題なく生活できるかもしれませんが、全く不必要なものではありません。自らの言葉で現実を理論立てようとするため、ある哲学者についての研究を進めていくと、その人の世界観で少しだけ世界をのぞくことができるところが、面白いです。

個人発表の様子個人発表の様子

ゼミの雰囲気

各ゼミ生の興味の対象は、一見すると全く異なっているように思えても、発表を聞くと自分の研究範囲と似たような部分があったり、あるいは初めて聞くことで発見が得られたりするので、自分ごととして捉えて議論が白熱することが多々あります。また、10人以下の少人数なゼミなので、一人ひとりに割ける時間の多さや関わりの深さは、美濃部ゼミの強みだと感じています。よく「この本読んでみたら?」とお互いにお薦めし合っています。

先生の紹介

美濃部仁先生

美濃部先生は、ドイツ哲学者のフィヒテ(※1)を専門としており、日本哲学の流れにおいては西田幾多郎(※2)などの思想を主に研究されています。ゼミ活動では、私たち個人の経験や価値観に寄り添ってくださる、とても優しいお人柄です。

※1 フィヒテ:ドイツの哲学者。カント哲学から出発し、自我の意思を強調する主観的観念論を説いた

※2 西田幾多郎:「西田哲学」と呼ばれる独創的な哲学を打ち立てた日本の哲学者。京都学派の創始者でもある。著書に『善の研究』『哲学の根本問題』など

私はこんな理由でゼミを選びました!

私が「哲学」という分野を認識したのは大学入学後で、1・2年次に美濃部先生の授業を履修したことがきっかけで、どんどん奥深さにハマっていきました。「哲学」と聞くとつかみどころがなく「採点できない」というイメージがありましたが、実際に読んでみると驚くほど緻密に、筋道立てて文章が展開されています。

しかし、その分一人で読み切ることが、とても難しいです。質問をできる環境があるうちに、一度「自分は、何をなぜ好きなのか」ということについて追及する機会があっても良いのではないかと思い、美濃部ゼミを選びました。

美濃部ゼミあれこれ

人数

3年次:7人、4年次:2人

OB・OGの主な進路

大学院進学、教員、出版社、公務員、小売業、製造業、鉄道業、放送業、金融・保険業、不動産業、教育関係、IT関係など

ゼミの情報を紹介してくれた方中村彩花さん(国際日本学部3年)

美濃部先生と紹介者のツーショット写真 紹介者(写真右)と美濃部先生

私の研究テーマ
「経験の言語化とその射程について」

ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

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