
明大生が、所属するゼミ・研究室を紹介する「ようこそ研究室へ」。今回は法学部の大澤さんが、江藤英樹ゼミナールを紹介してくれます!

ゼミ概要紹介
江藤ゼミでは、憲法の人権・統治の各分野について、判例を通じて幅広く学んでいます。人権分野とは、自由権や平等権などに関するもの、統治分野とは、国会・内閣・裁判所などに関するものです。活動は3〜4人の少人数グループに分かれて行い、各グループが扱う判例を選び、資料を作成し週ごとに発表をします。発表後には、判決の是非やその背後にある法的・社会的な問題点について、ゼミ全体で活発な議論を行っています。
江藤ゼミではこんなことを学んでいます!
例えば、行政の中立的運営という目的から、「公務員の政治的行為を禁止する法律(国家)」と、「憲法21条の表現の自由(個人)」との関係において、どこまで個人の権利を認めるべきかといった事例を扱っています。原告・被告双方の視点に立ち、侵害されている権利は何か、それぞれの権利の限界点はどこか、折り合いをつけるための改善点はあるか、といったように多角的な視点から議論を行っています。
また、最近の活動では、選択的夫婦別姓制度(※1)問題や、袴田事件(※2)などの冤罪事件のように、現代社会で注目を集めているテーマも扱っています。
※1 選択的夫婦別姓制度: 夫婦が望む場合には、それぞれ結婚前の姓(名字)を称することを自ら決定する選択の自由を認める制度
※2 袴田事件: 1966年6月30日に静岡県の民家で発生した強盗殺人・放火事件。袴田巌さんが犯人として逮捕され、1980年に最高裁で死刑判決が確定したが、後の再審で2024年に無罪が確定した冤罪事件
ゼミ活動の様子アピールポイント
国家と個人の権利が衝突するという、明確な正解のない問いに向き合える点が、江藤ゼミの魅力です。さまざまな角度から問題を検討する機会が多く、憲法に限らず物事を多面的に捉える力が自然と養われます。
さらに、法学部の中でも人数が多いゼミであることから、多様な意見が飛び交い、自分にはなかった視点に気づかされる場面も多くあります。毎回の議論を通じて、新たな発見や学びを得ることができる刺激的な環境です。
ゼミの雰囲気
議論をするときは真剣に、楽しむときは全力で楽しむ、めりはりのあるゼミです。真面目で穏やかな人が多いため、お互いの意見を尊重し合うことができ、自分の考えに臆せず、積極的に意見を述べることができる環境が整っています。難解な内容や議題であっても、先生の解説やアドバイスを受けながら、理解を深めることができます。
2024年のゼミ合宿(下田・伊東)での一枚(静岡県下田市「愛染明王堂」)先生の紹介
江藤英樹先生
違憲立法審査制度を専門として研究されています。とても気さくな先生でお話ししやすく、ゼミ生一人ひとりを常に気にかけてくださいます。また、時々お話しされる雑談も面白いです。好きな食べ物はとんかつで、趣味はランニングだそうです。
ゼミ合宿(下田・伊東)での江藤先生(下田海中水族館にて)私はこんな理由でゼミを選びました!
1・2年次に必修科目として学んだ刑法・民法・憲法の中で、最も面白いと感じたのが、憲法でした。特に個人の権利と公共の福祉のバランスの難しさに、面白さを感じました。また、憲法は江藤先生から2年間教わっていたこともあり、先生のお人柄にも引かれて、江藤ゼミを選びました。
江藤ゼミあれこれ
人数
41人(3年次:21人、4年次:20人)。ゼミ活動は学年別に行っています。
OB・OGの主な進路
法科大学院進学、衆議院事務局、特許庁、東京都庁、特別区(※3)、民間企業など
※3 特別区:東京都23区の各区役所に勤務する地方公務員
紹介者(写真左)と江藤先生
私の研究テーマ
「公務員の「政治的行為」と刑罰――猿払事件――・集会の自由と市民会館の使用不許可――泉佐野市民会館事件―― など」
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