研究室概要紹介
植物は芽生えた場所が過酷だった場合、生育に適した場所へ移動することができません。そのため、芽生えた環境で生き延びるためにさまざまな環境ストレスに適応するすべを持っています。私たちはその機構を解明するため、細胞内の自己分解機構であるオートファジーに注目し研究しています。
そして、オートファジーを利用した環境ストレスに強い植物や長寿植物などの作出に貢献することを目指しています。
吉本研究室ではこんなことを学んでいます!
オートファジーとは細胞内の古くなったタンパク質や細胞小器官(オルガネラ)を分解する細胞の働きのことです。この機構は、栄養源のリサイクルや細胞内の品質管理などの役割を担っていると考えられています。
私たちの研究室では、オートファジーがどのような条件で、どこで誘導され、どの対象物を、どのように認識して分解するかを明らかにすることで、植物の生育におけるオートファジーの重要性を解明することを目標としています。実際にはオートファジーが起こる様子の顕微鏡観察や、植物から抽出したDNA・RNA(リボ核酸)・タンパク質の解析などの実験を行っています。
アピールポイント
オートファジーという一つの大きなテーマを、栄養飢餓や病害など多種多様な環境ストレスへの適応、発芽、老化、概日時計などさまざまな視点から研究しています。また、扱う植物種もシロイヌナズナ、ダイズ、アイスプラント、イネ、ナス、アサガオなど多様です。
5年目の新しい研究室であるため、顕微鏡やプレートリーダーなど新しく便利な機械が充実していて、実験がしやすい環境に恵まれています。
研究室の雰囲気
普段から学生同士だけでなく、助教の方や先生とも気兼ねなく話せる和気あいあいとした雰囲気です。一人2~3テーマを担当し、各自で実験を進めていきます。
週1回のゼミでは、研究の進捗報告や自分たちで選んできた論文の紹介をしており、それぞれの研究に対して活発に議論が行われています。
先生の紹介
吉本光希先生
学生の自主性や興味を尊重してくださいます。ゼミでは鋭い指摘で、研究をより良い方向に導いてくれます。気さくな先生で、学生と積極的にコミュニケーションを取ってくださるので、研究以外の話もしやすいです。最近は先生のペットのワンちゃんの話をうれしそうにしてくれます。
私はこんな理由で研究室を選びました!
もともと植物が飢餓や病害に対して適応するメカニズムに興味があり、研究室見学でオートファジーも植物の環境への適応に深く関与していると知って魅力を感じました。2016年に大隅良典先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されたテーマでもあり、植物ではまだその分子機構や生理学的意義について分かっていないことが多いという点から、とてもホットな研究分野であると感じ、この研究室を選びました。
吉本研究室あれこれ
男女比・人数
男性9人:女性7人=16人
OB・OGの主な進路先
国家公務員総合職、製造業界(王子ホールディングス株式会社)、食品業界(アサヒ飲料株式会社)、IT業界(TIS株式会社、大日本印刷グループ株式会社インテリジェントウェイブ)、製薬業界(エーザイグループ株式会社サンプラネット)、大学院進学(名古屋大学、東京工業大学)など。
研究室の秘密道具・グッズ
・電子黒板
パソコンの画面を映して先生とのディスカッションで使用したり、黒板として書き込んだりします。書いた内容はメールで送信し、後で見返すことが可能なので便利です。
・オープンクリーンベンチ
囲われたタイプのクリーンベンチでは行いにくい、顕微鏡を用いた無菌的な作業などに適しています。
名物研究室生、OB・OG
昨年、東京工業大学からポスドク(ポストドクター・博士研究員)としていらっしゃり、今年度助教になられた吉竹さんです。知識と経験が豊富で、学生の研究に対しても親身になってアドバイスをくださり、とても頼れる存在です。フレンドリーで明るく、研究の世界でも知り合いが多い方です。
「概日リズムとオートファジーの関係の解明」
オートファジーによるオルガネラの品質管理や栄養の再供給は、一日の体内時計によって制御されているのかどうか、また、オートファジーが概日リズムの形成に関与しているかどうかを調べています。
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