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ようこそ研究室へ
2023.08.04

「関係人口」の学びを生かし、地方創生を目指す(農学部・小田切徳美研究室)

農学部教員学生ゼミ・研究室SDGs

明大生が、所属するゼミ・研究室を紹介する「ようこそ研究室へ」。今回は農学部の齋藤さんが、小田切徳美研究室を紹介してくれます!

15期の先輩方の卒論報告会での一枚。報告会終了後にはジェスチャーゲームやイントロドンなど、先生と共に15・16・17期のゼミ生全員で全力で遊びました!

研究室概要紹介

地域ガバナンス論ゼミでは、地方の中山間地域を中心に、地域住民主体での地域活性化を実現するプロセスを研究しています。中山間地域とは、平野と山林の中間に位置する山あいの地域を指し、自然豊かな環境が広がる反面、交通などの生活における条件不利性を有しています。

この条件不利性から地域外に人が流出する流れが生まれており、地域の「内と内」「内と外」「外と外」の人のつながりから地域住民の地域への誇りや愛着形成、地域外からのファンづくりを実現する方法について考えを深めています。

小田切研究室ではこんなことを学んでいます!

毎回のゼミでは、近年注目されている「関係人口(※1)」を主なテーマに、ディスカッション形式で文献を読み解きます。また、3年次のフィールドワーク実習では新潟県北部に位置する山北地区を訪問し、地域の方々への聞き取り調査を実施します。人手不足から地域行事を含む文化の維持が困難となる中、地域での生活の実態を直接お聞きし、ゼミでの「関係人口」の学びを生かした地域課題へのアプローチ策を考え、地域の方を前に実習の最終報告を行います。

※1 関係人口:小田切徳美農学部教授が、地方創生のために提唱している言葉で、移住はしなくとも地域に愛着を持って関わり続ける人々の総称。近年、若者を中心にこうした人々の数が増えている

フィールドワーク実習で地域の方に聞き取り調査を実施している様子。複数の集落と地域おこし協力隊の方などからお話を伺いました

アピールポイント

ゼミでは毎回、ゼミ生一人ひとりが一つの事例や論文から気になった課題を挙げ、全員で議論を交わします。意見のやり取りの中で考えが複雑になってしまった時は、先生が図や表などで議論の内容がどのようになっているかを「見える化」してくださるため、自身の考えや論点の構造を整理する力が養えます。受け身の座学ではなく、全員での議論や現場調査から学びをアウトプットできる環境があるので、必ず成長できる研究室だと感じています。

ゼミでの議論の構造を先生がホワイトボードを使って説明している様子。図式化で自分の考えと他のゼミ生の考えを比較できるため理解が一層進む時間です

研究室の雰囲気

「地域活性化」に関心を抱いていることは同じでも、一人ひとりが異なる知識や興味を持っており、多様性にあふれています。ゼミの時間は全員が積極的に意見を出しており、意見を尊重し合いながら考えを深められる時間や仲間を得ることができます。

生明祭では毎年、ゼミOBの実家の農園(長崎県島原市)から直接生姜やその加工品を仕入れ、販売しています。毎年楽しみにしてくださっている方も多く、鮮度抜群の生姜やシロップなどの加工品が購入できます!

先生の紹介

小田切徳美先生

先生の研究分野は「農山村再生論」です。ふるさと納税や地域おこし協力隊の立案にも大きく関わられており、地方地域に行くと、「あの小田切先生のゼミ生なの!?」と言われる機会が多くあります。そのような偉大な先生でありながら、先生は「すべらない話」が大好きで、自らネタを披露してくださることも多く、ゼミ生にも対等に接してくださるユーモアにあふれた先生です!

私はこんな理由で研究室を選びました!

私は、地方地域を訪れ、地域の文化、人、食のありのままの姿に触れることが大好きな「地域オタク」です。そのため、地域資源を生かした地方創生や6次産業化(※2)に興味があり、食料環境政策学科に進学しました。中でも小田切先生は地域の中の人と外の人が交流することで生まれる「交流の鏡効果(※3)」についての論文を出されており、人をつなぐことによる地域活性化に引かれたため、地域ガバナンス論研究室を選びました。

※2 6次産業化:1次産業を担う農林漁業者が、自ら2次産業である「加工」や3次産業の「販売・サービス」を手掛け、生産物の付加価値を高めて農林漁業者の所得を向上する取り組み。6次産業=1次産業(農林漁業)×2次産業(加工)×3次産業(販売・サービス)」と、1次産業にほかの産業を掛け算して6次産業としている

※3 交流の鏡効果:外から来た人の地域資源や文化、環境に対する発見や感動が地域の方に伝わり、地域の方の地域再評価につながるという考え

フィールドワーク実習の最終報告では、地域の方が多く集まってくださいました

小田切研究室あれこれ

人数

4年次:9人、3年次:10人

OB・OGの主な進路

地方創生関係企業(凸版印刷株式会社、東日本旅客鉄道株式会社など)、金融機関(日本政策金融公庫、株式会社ゆうちょ銀行など)、JA(農業協同組合)系組織(全国農業協同組合連合会、農林中央金庫など)、公務員(和歌山県庁など)、さまざまな分野に進んでいます。

研究室の情報を紹介してくれた方齋藤陽美さん(農学部4年・国立筑波大学附属坂戸高等学校卒)

紹介者(写真左)と小田切先生

私の研究テーマ
「地方移住者の移住決定要因と移住先へもたらす効果」

ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

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