
明大生が、所属するゼミ・研究室を紹介する「ようこそ研究室へ」。今回は総合数理学部の髙橋さんが、佐藤篤之研究室を紹介してくれます!
研究室概要紹介
位相幾何(トポロジー)(※1)に慣れ親しむことを目指しています。位相幾何の考え方は、ユークリッド幾何(※1)などより柔軟で、図形を引っ張る、伸ばすなどの自由な変形が可能になります。このような考え方に慣れることで、今まで持っていた図形の見方や認識、図形に対するイメージが変わっていくと、自分の新たな面を発見できるかもしれません。位相幾何の楽しさを実感できる研究室です。
※1 ユークリッド幾何・位相幾何:中学校や高校で学ぶユークリッド幾何では、三角形や他の図形を「固い材料でできたもの」と考えて、辺の長さ、角度などに注目しました。一方、位相幾何では、図形は伸縮可能な「柔らかいゴム膜でできている」と考えて、引っ張る、伸ばすなどの操作を行っても変化しない性質(図形の穴の個数など)を調べます。ゴムでできた三角形の各辺を引っ張って円に変形できるので、位相幾何では三角形と円は「同じ図形」として扱われます
佐藤研究室ではこんなことを学んでいます!
数学の中でも、図形を中心とした学問分野を学習しています。図形の自由な変形から、その図形の新たな一面や法則性などについて学びます。
皆さんは、「表と裏の区別がない図形」と言われて、すぐにどのような図形であるか想像できるでしょうか。「メビウスの帯(※2)」は、誰でも簡単に作ることができる表裏のない図形です。長方形の紙とテープがあればすぐに作ることができるので、実際に作ってその図形の縁を指でたどってみれば、「メビウスの帯」の不思議さに触れることができます。
※2 メビウスの帯:長方形の帯を一回ねじって、端の辺同士を貼り合わせて得られる空間図形

アピールポイント
3週間に1回は必ず自分の発表の順番が回ってくるので、主体的な学習が継続できることに加え、内容理解がしやすいというメリットがあります。また、他の人の発表から新たな解法や知識、法則を知ることもでき、自分とは違う考え方に触れることで多角的な視点で問題に取り組むことができます。質問しやすい環境もこの研究室のアピールポイントであり、先生も含めた全員で、納得するまで議論することができます。

研究室の雰囲気
研究室の活動は発表が中心なので、静かな雰囲気で発表がスムーズに進みます。分からないことがあればすぐに先生に聞くことができ、先生の発問をみんなで考える時間を取ることもあります。発表の事前準備が完璧であることが多いため、再現性の高い図形を用いた分かりやすい解説で授業が進行することがほとんどです。先生に質問した際は、私たちが納得するまで丁寧に優しく対応してくださるので、とても聞きやすい環境が整っています。

先生の紹介
佐藤篤之先生
先生のご専門は、多様体の幾何学、力学系などです。2013年まで生田キャンパスの理工学部数学科におられ、2014年4月から総合数理学部現象数理学科にいらっしゃいました。ゼミでは位相幾何、講義では代数、幾何、数理リテラシーなどの数学系科目を担当されています。
私はこんな理由で研究室を選びました!
幾何という学問分野では、解析学や代数学ともつながる部分が多くあり、図形に対してこれらで得た知識を応用して扱います。解析学で難しい問題であっても、幾何学的視点から捉えることによって理解のきっかけを得ることもあるほど、幾何は全ての数学分野との関係性が深いというところに、私は幾何の面白さを感じました。
佐藤研究室では、他の数学のいい所取りとも言える幾何学について深い学習ができ、自分が納得できるまで議論を交わすことができるため、私はこの研究室を選びました。

佐藤研究室あれこれ
人数
8人(2023年度)
OB・OGの主な進路
中学校・高校の数学教員、IT系企業、事務機器系企業、電気系企業、地方自治体職員、大学院進学
紹介者(写真右)と佐藤先生
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