Meiji NOW 明治とつながる 今をつたえる。

Pick Up
ようこそ研究室へ
2024.02.28

ドイツ語を軸として時々刻々と変化していく「ことば」を研究(文学部・渡辺学ゼミ)

文学部教員学生ゼミ・研究室

明大生が、所属するゼミ・研究室を紹介する「ようこそ研究室へ」。今回は文学部の藤本さんが、渡辺学ゼミナールを紹介してくれます!

ゼミ概要紹介

世界の言語は、それぞれが単独で生成発展したものではなく、相互に影響を与え合う開かれたシステムであると考えます。代表的なものとして外来語や借用語といわれるものがあります。渡辺ゼミでは、ドイツ語を軸として日本語も含めた言語接触の研究について、ゼミ生のプレゼンテーションとディスカッションを取り入れることで、ドイツ語や言語学について親しみ、これらの概念や視点を身に付けることを目指しています。

渡辺ゼミではこんなことを学んでいます!

例えば、「ご注文の品になります。」「行かさせていただきます。」といった日常の何げない表現の中に、意識してみると違和感を覚える点はないでしょうか。「なります」「行かさせて」といった従前とはやや異なった言葉遣いは、相対的に多数者が受け入れることで、いつの間にか一般的な表現として定着していきます。

また、日本語でも顕著ですが、ドイツ語においても英語の流入が止まらず、和製英語のように独製英語が登場しています。例えば「Handy=携帯電話」のように、内的・外的ファクターにより言葉は時々刻々と変化していくのです。

ゼミの様子①

アピールポイント

文学部文学科ドイツ文学専攻は元来小さい所帯であるため、少人数のゼミだからこその活発なディスカッションが行われています。プレゼンテーションの内容も、「日独におけるペットの名前の傾向についての考察」や「日本語とドイツ語相互に翻訳することが困難な表現の研究」といった興味深いものが多くあります。

渡辺先生は、毎回の授業時に、ことば・語法の変化について日常生活で気になった表現の具体例を提示してくださり、これが私たちの活発なディスカッションの源泉になっています。

ゼミの様子②

ゼミの雰囲気

渡辺ゼミは、3年次だけでなく他の学年の学生も参加しています。ゼミ生は、ドイツ語に興味があるのはもちろんですが、日本語ひいては言語について関心が高く、楽しい意見交換がなされます。言語間の関係と同様に、ゼミ生相互に影響を与え合い成長できます。また、ドイツ語検定の成否を競っているゼミ生もおり、和やかな中にも学問への向上心がうかがえます。

ゼミの様子③

先生の紹介

渡辺学先生

渡辺先生のご専門分野は、社会言語学、文体・スタイル論、異文化コミュニケーション研究、言語思想史です。授業時には、深い洞察力に裏打ちされた問いかけの提示により、私たちゼミ生が日頃意識していない言葉の事象について、新鮮な視点で考察する機会をくださいます。

私はこんな理由でゼミを選びました!

私は、もともと日本語・外国語を問わず「ことば」に興味があり、現在ドイツ語の他に2カ国語を個人的に学習しています。2年次に国語学各説で学んだ日本語の変化や、言語学の授業でネットことばの生成消滅サイクルの速さを検証したこと、7世紀のペルシア語はさほど変化せず、現代でも読むことができると学んだことなど、これらがきっかけで、ことばの不変・可変についてさらに学びを深めるために、渡辺ゼミを選びました。

渡辺ゼミあれこれ

人数

13人

卒業生・ゼミ出身者の主な進路

編集・出版、テクノロジー、家具・インテリア、大学院進学など、多岐にわたります。

ゼミの情報を紹介してくれた方藤本英雄さん(文学部3年・鹿児島県立阿久根高等学校卒)

紹介者(写真左)と渡辺先生

私の研究テーマ
「日本とドイツにおける反社集団の言語能力の未熟性と造語能力」

ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

この記事をシェア