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2025.03.19

国連ユースボランティアとしてタイのUNDPで奮闘!人生の支えとなる出会いと経験を得て大きく成長(下山田新菜さん)

国際日本学部学生留学国際交流SDGs

国連ユースボランティア(以下、UNYV)で2024年度国連開発計画(以下、UNDP)バンコク事務所に派遣された下山田新菜さん(国際日本学部4年)に、UNYVでの体験についてお話を伺いました。

また、昨年10月に、UNDP派遣前の下山田さんをインタビューした記事を掲載しています。本記事の最後にあるリンクも、あわせてご覧ください。

国連ユースボランティア(UNYV)とは

国連事務所においてさまざまなバックグラウンドを持つ人々との協働を通じて、グローバル人材として必要な国際社会に関する知識や異文化理解、チームワークなどを培うことを目的とした約5カ月間のプログラムです。派遣地は年度によって異なりますが、原則として国連ボランティア計画の拠点がある国において実施されます。途上国の開発援助や国際協力に興味のある学生向けのプログラムです。

UNYV派遣生 下山田さんのプロフィール

国連ユースボランティアで派遣された国・組織 タイ・UNDP
派遣期間 2024年9月~2025年2月

国連ユースボランティアでの活動について

なぜ国連ユースボランティア(UNYV)に参加しようと思ったのですか?

大学の授業がきっかけで環境問題に関心を持ち、2年次の8月から約1年間アメリカへ留学しサステナビリティについて学びました。その後、「次は知識をアウトプットする経験がしたい」と強く思うようになり、このプログラムに興味を持ちました。

UNYVを目指した理由は、私が感銘を受けたSDGsの基本理念「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」を最前線で推進する国連機関での経験が、自分の興味を形にする機会になると考えたからです。また、以前から「国連はどのような場所で、どのような人たちが働いているのだろう?」と興味を持っており、その現場を自分の目で確かめたいと考えたことも理由の一つです。

たくさんの国旗が並ぶ国連オフィスたくさんの国旗が並ぶ国連オフィス

UNYVの活動に臨む上で意識していたことは?

現地では、若者を支援する「ユースエンパワーメント」の業務に携わりましたが、「若者のために」という目的を常に忘れないようにしていました。忙しくなるとつい目の前のタスクに追われがちですが、「どのような業務も最終的には若者の支援につながるのだ」と目的意識を持つことで、一つ一つの業務により深い意義を感じながら取り組むことができました。

業務の一環で作成したポスター業務の一環で作成したポスター
日本とタイの学生にワークショップを行っている様子日本とタイの学生にワークショップを行っている様子

現地での活動において最もチャレンジングな経験と、それをどう乗り越えたか教えてください。

慣れない土地での1人暮らしは苦労の連続でした。タイは中進国ですがインフラがまだまだ脆弱(ぜいじゃく)であるため、雨季にはスコールで道路が冠水し、膝下まで浸かりながら帰宅することもありました。家に着いた瞬間、思わず涙がこぼれたこともあります。しかし、タイの人々にとってはこれが日常なのだと気付くと、「ただ雨が降っただけ」と不思議と少し心が軽くなりました。環境の違いを完全に乗り越えられたかどうかは分かりませんが、「新しい当たり前」を受け入れようと必死に過ごした5カ月間でした。

印象的だった人々との出会いや、印象深い経験はありましたか?

派遣先の上司との出会いは、これからの人生においても大きな支えになると思います。常に多忙な方でしたが、業務初日から「どのような連絡も邪魔にならないよ」「いつでも失敗して良いからね」と安心できる言葉をかけてくれました。業務で行き詰まった時も、私の長話を静かに聞いた後、サッと解決策を出してくれるスーパーマンのような人でした。特に「Don’t forget your WHY(自分の目的を忘れないで)」という言葉は、これから先何度も思い出しては、自分を奮い立たせてくれると思います。

上司、チームの皆さんとの一枚上司、チームの皆さんとの一枚

国連ユースボランティア(UNYV)ならではの経験と成長

UNYV派遣前に交換留学にも参加されましたが、交換留学とUNYVの経験の違いを教えてください。

どちらも海外での経験ですが、交換留学は学びが中心であるのに対し、UNYVでは一職員として働く責任が求められます。留学中のように周囲から学生という立場が意識されることはあまりなかったため初めは戸惑いましたが、それまで遠い存在であった「国連機関」の一員として働くという、交換留学では得られない貴重な経験ができました。

同僚とオフィス内のカフェでランチをした際の一枚同僚とオフィス内のカフェでランチをした際の一枚

留学で使っていた英語とUNYVでの英語で、何か違いはありましたか?

アメリカ英語が世界共通ではないことを改めて実感しました。日常会話ではアメリカでの一般的な表現が通じなかったり、業務では聞いたことのないフォーマルな英語にたくさん触れました。特に「国連の世界ではメールの書き方が重要」と言われたことが印象的で、最初は読むのも書くのも時間がかかりましたが、送られてくるメールの表現をまねしながら学びました。英語を使って海外で働くことは幼い頃からの夢だったので、それが実現したことに感動しました!

これからUNYVに参加する場合、今だったらこういう準備をするといったことはありますか?

現地での住居探しなど、もっと早い段階で周りや派遣先にサポートを求めていれば焦ることなく進められたと思います。知人のおかげで何とか住居は見つかりましたが、派遣前は「こんなこと聞いて良いかな?」と、ためらうことが多かったです。しかし、情報は自分から積極的に取りに行かないと得られません。まずは何でも聞いてみる・やってみることが大切だと、改めて実感しました。

UNYVに参加して、自分が最も成長したと感じる点を教えてください。

自分の「完璧」から離れたことです。これまでは完璧を追求するあまり、準備に時間がかかったり、終着点が見えずストレスを感じることも多々ありました。しかし、活動中にさまざまな人と関わる中で、全く違うやり方で理想的な結果を得る人もいることに気づきました。自分の完璧が他者の完璧とは限りません。必要なのは、物事を目的に沿って完結させられるかどうかだと学びました。

「Imperfectly completed is better than perfectly incomplete(完璧を求めて未完のままでいるより、不完全でも完了した方が良い)」と上司も教えてくれました。

最後に

UNYVで培った経験を生かして、どのような社会人になりたいですか?

自分の信念を具現化できる社会人になりたいです。この5カ月間、社会にインパクトを与える起業家や環境活動家、そして彼らを支える同僚と出会い、刺激を受けました。4月からはコンサルティング会社に就職予定ですが、企業のサステナビリティ経営の支援を通じ、彼らのようにその先の社会を前進させる取り組みを形にしたいです。

明大生へのメッセージをお願いします。

何かに挑戦するかどうか決める時、迷う理由の一つに「後悔するかも」という不安があると思います。リスクを考慮することも大切ですが、一方で、「自分で選んだ道は自分で正解にするんだ」くらいの勢いで飛び込む経験も、きっと人生を面白くするために欠かせません。人生最後の学生生活、たくさんの挑戦と失敗から学び、「やってみないと分からない!」を自分に見せつけましょう!

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