Meiji NOW 明治とつながる 今をつたえる。

Pick Up
明大生にフォーカス
2024.12.13

長崎県諫早市「本明川水上競技場の利活用による『スポーツのまち 諫早』の知名度向上と交流拡大」を提案|岡部華林さん

文学部学生社会連携イベントSDGs

明治大学地域連携推進センターは、協定に基づく連携事業として「学生派遣プログラム」を実施しています。「学生派遣プログラム(公募型/課外活動)」を通じ、連携地域が取り組むプロジェクトの推進や、地域振興に貢献しつつ、参加学生が地域への理解を深め、社会性を培う機会となることを目的に実施しています。
2024年度の学生派遣プログラムである長崎県諫早(いさはや)市「本明川水上競技場の利活用による『スポーツのまち 諫早』の知名度向上と交流拡大」に参加した、体育会端艇部の岡部さんにお話を伺いました。

課外活動を紹介してくれた方体育会端艇部
岡部華林さん(文学部3年)

プロフィール写真

プログラムでの活動内容を教えてください。

今回のプログラムでは、世界的に見ても珍しい直線5,000mの水域を有しながらも、知名度が低いために利活用が進んでいない「本明川ボートコース」をはじめとする多くのスポーツ施設を兼ね備える長崎県諫早市と連携して、「本明川水上競技場の利活用による『スポーツのまち 諫早』の知名度向上と交流拡大」というミッションに取り組みました。ボート競技を活用したプログラムということで、体育会端艇部の選手3人とマネージャー2人で参加させていただきました。

本明川ボートコースにて乗艇準備の様子本明川ボートコースにて乗艇準備の様子

9月に行われた現地調査では、実際に本明川ボートコースで乗艇をさせていただき、競技者としての視点でコースの利便性や利活用における可能性を体感することができました。また、2028年のロサンゼルスオリンピックで正式種目となり現在注目を浴びている、ビーチスプリントローイング(※)の大会開催地としての活用検討のため視察した「結の浜マリンパーク」は、今すぐにでも大会を誘致できるほど非常に高いポテンシャルを兼ね備えており、『スポーツのまち 諫早』の新たな可能性を感じることができました。

これらの現地調査を踏まえて、➀本明川ボートコースの利活用案、➁結の浜マリンパークでのビーチスプリントローイングの大会開催・誘致案の二つの軸で、長崎県、諫早市、長崎県ローイング協会の皆さまに最終報告をさせていただきました。

※ ビーチスプリントローイング:砂浜を50m走ってスタートし、海に入って艇に飛び乗り、海岸沖250mまでに設置されたブイをスラローム(障害物を左右に避けて蛇行しながら進路転換を行うこと)して砂浜に戻り、走ってゴールするまでを競うショートレース。レースは通常600mで構成される

視察先の「結いの浜」にて①視察先の「結いの浜」にて①
視察先の「結いの浜」にて➁視察先の「結いの浜」にて➁

プログラム参加前に、このプログラムでどのようなことを学びたいと思っていましたか?

プログラムに参加する前から、ボート競技の普及には競技者自らが、積極的に競技の魅力を発信する必要があると感じていました。特に、日本におけるボート競技は知名度が低いため、その魅力を広めたいと考えていました。

しかし、これまでの活動では競技に専念することが多く、発信活動にまで手が回っていなかったため、このプログラムを通してその点を克服し、新たな視点を得ることを目指していました。また、長崎県諫早市が「スポーツのまち」として地域振興を進めていることを知り、「スポーツによる地域活性化についても学びを深めたい」という思いがありました。

活動の中で、印象に残った出来事や印象に残った言葉があれば教えてください。

本明川ボートコースでの視察の際に、長崎県ローイング協会の北野さまにインタビューをさせていただきました。北野さまは、これまで本明川ボートコースの開設から地域の方向けのイベント開催に至るまで、本明川ボートコースの利活用のためにさまざまな取り組みにご尽力されてきました。インタビューでは、本明川ボートコースの競技場としてのポテンシャルの高さや地域でのボート競技の知名度向上における思いを伺うことができました。

その中で、「長年実現したいと考えていることはたくさんあるが、実現には行政との連携が必要不可欠で、ビジョンがあってもなかなか実現に至らない。みんなにはこの機会に1人の競技者として本明川ボートコースの魅力を伝えてほしい」と言っていただきました。この言葉を受けて、「私たちの活動が『スポーツのまち 諫早』の活性化の起爆剤となり、プログラムの目標を達成したい」と感じました。

活動の中で苦労したことと、それをどのように乗り越えたかを教えてください。

活動を通じて特に苦労したことは、異なる立場や視点をお互いに理解し合いながらコミュニケーションを進め、協力的なアイデアを構築することでした。私たちは競技者として、本明川ボートコースの利便性向上や競技の発展に対する関心が強く、当初はその視点に基づく提案に集中しがちでした。

しかし、長崎県や諫早市の行政の方々と話を重ねる中で、行政の皆さまが重視していることは、「地域活性化の視点」であると改めて気付き、行政が抱く地域の発展に対する思いを理解しました。また、現地視察を通して諫早市の魅力を体感したことで、「私たちの力でその魅力を広く伝えたい」と強く感じるようになりました。

その結果として、諫早市の多様なスポーツ施設を活用した冬季合宿の誘致や、ビーチスプリントローイングの大会で諫早市のグルメや特産品をPRするというアイデアを発案しました。これにより、ボート競技の発展と地域活性化の両方の視点を取り入れた提案を行うことができました。双方の視点を尊重し、実現可能な提案に昇華できたことで、最終的には充実感とともに課題を乗り越えることができたと感じています。

活動全体を通して学んだことや成長したこと、自身の中での変化を教えてください。

この活動を通して、ボート競技を通じた地域活性化の可能性をより深く学びました。また、競技者としての視点だけでなく、地域や行政と連携する視点も持つことができ、視野が広がりました。特に、ボート競技を通じて「スポーツのまち 諫早」という目標を現実のものにしていくためには、地域全体との連携が不可欠であると理解しました。また、競技の発信力や魅力の伝え方についても考えを深め、今後はボート競技の普及に積極的に取り組んでいきたいと感じるようになりました。

成果発表会で発表中の様子成果発表会で発表中の様子

この活動をどのような人に勧めたいですか。

この活動は、スポーツの地域振興などに興味がある方にぜひお勧めしたいです。特に、スポーツの魅力をより多くの人に伝えたいという思いを持ちながらも、具体的な発信方法や地域との連携について学ぶ機会がなかった方にとっては、非常に貴重な経験となると思います。また、スポーツを通じた地域活性化や地域貢献に関心がある方には、実際の活動を通じて多くのことを学ぶことができるプログラムです。

将来の目標を教えてください。

私の将来の目標は、挑戦し続けて自分の世界を広げていくことです。今回のプログラムも、その目標に向かう一つの挑戦でした。この挑戦をしていなければ出会うことのなかった方々との出会いや、貴重な経験をすることができました。

プログラムに参加する前は、「自分の競技や目標に対して、周囲とどのように協力できるのか」を考えたことがあまりありませんでしたが、地域や行政の方々との対話を重ねるうちに、「挑戦」は自分だけの成長のためではなく、他者とのつながりや、地域全体の活性化にもつながることを学びました。

また、挑戦を通して感じたことは、「自分がどのように社会に貢献できるかを考える視点の大切さ」です。今回のプログラムで得た経験から、目標に向かって自分を磨くとともに、社会や周りに対してどのように貢献できるかを意識し、行動することが新しい成長を促すのだと実感しました。

多様な価値観や考え方を持つ人々と関わることで、さらに視野が広がり、次の挑戦に向けてのモチベーションも高まりました。これからもさまざまな機会を通じて、引き続き挑戦し続け、自分の可能性を信じて視野を広げていきたいです。そして、今回のような経験を積み重ねていくことで、自分自身の成長だけでなく、周囲や社会に対してもポジティブな影響を与える存在になりたいと考えています。

長崎県諫早市役所での中間報告会終了後に大久保市長との一枚長崎県諫早市役所での中間報告会終了後に大久保市長との一枚

明大生・高校生に伝えたいメッセージをお願いします。

明大生や高校生の皆さんに伝えたいことは、「自分の関心や得意分野を生かして、ぜひ周囲や地域にポジティブな影響を与えることに挑戦してほしい」ということです。私たちは、今回の活動を通じて競技者としての視点と地域振興の視点を組み合わせることで、ボート競技と地域の魅力を広めるための新しい提案ができました。この経験から学んだことは、一つの視点に捉われず、異なる立場や価値観を尊重しながら考えることが、新しい可能性や発見につながるということです。

皆さんも、勉強やスポーツ、興味のあることを通して、自分の力をどのように生かせるか、そしてどうすれば社会や周囲に貢献できるかを考えてみてください。新しい視点を得ることで、皆さんの未来がさらに広がり、より多くの人にその影響を届けることができます。挑戦することで視野が広がり、学びや成長が得られるはずです。ぜひ、自分の可能性を信じて、新たな一歩を踏み出してください。

成果発表会終了後に参加メンバーとの一枚成果発表会終了後に参加メンバーとの一枚
ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

この記事をシェア