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2025.12.03

福井県鯖江市「レッサーパンダがお届け!鯖江市の魅力発信プロジェクト」で集客・体験プランを提案│西田翠さん

法学部学生社会連携

明治大学地域連携推進センターは、協定に基づく連携事業として「学生派遣プログラム」を実施しています。この活動を通じて連携地域が取り組むプロジェクトの推進や地域振興に貢献しつつ、参加学生が地域への理解を深め、社会性を培う機会となることを目的として、公募型の課外活動として開催しています。

今回は、2025年度の学生派遣プログラム「レッサーパンダがお届け!鯖江市の魅力発信プロジェクト」に参加した、西田さんにお話を伺いました。

なお明治大学と鯖江市は、本学創立者の一人、矢代操先生の出身地が鯖江市であるご縁で、2011年11月に連携協定を締結し、各種連携事業を実施しております。

課外活動を紹介してくれた方西田翠さん(法学部3年)

プログラムでの活動内容を教えてください。

「レッサーパンダがお届け!鯖江市の魅力発信プロジェクト」をテーマに、参加学生8人がチームとなり、鯖江市の認知度向上と魅力発信につながる提案を行うことを目的として、4泊5日のフィールドワークを中心に活動しました。

鯖江市は、国内でも有数のレッサーパンダ繁殖数を誇る西山動物園を有しています。しかし、鯖江市は眼鏡など産業のイメージが強く、レッサーパンダの聖地としての知名度は全国的に低いのが現状です。今回の活動に当たり、佐々木勝久市長からは「制約に縛られず自由な発想で大胆な提案を期待している」との激励を頂き、私たちは西山動物園だけでなく、地場産業や地域の食、施設、歴史などについて、現地での体験を通して幅広く学びました。

西山動物園のレッサーパンダ

プログラムへの応募理由を教えてください。

理由は二つあります。一つ目は、福井県出身者として地元へ恩返しがしたかったからです。福井県民にとって、鯖江市のシンボルは西山動物園のレッサーパンダですが、県外では眼鏡のイメージが圧倒的で、その魅力が十分に伝わっていません。私はレッサーパンダを使った新たな切り口で魅力を発信し、地域に貢献したいと考えました。

二つ目は、将来まちづくりや地域創生に携わる仕事に就きたいからです。本プログラムは、市役所や住民の方々から直接ヒアリングを行い課題解決のプロセスを実践できる貴重な機会です。将来のキャリアに生かせる実践力と多角的な視点を身に付けたいと考え、応募しました。

活動の中で、印象に残った出来事を教えてください。

特に印象的だったのは、鯖江市観光協会の方から伺った、市民ボランティア団体「鯖江おせっ会」のエピソードです。このボランティア団体の方々は、市からの要請があったわけではないにもかかわらず、自主的に、サンドーム福井(福井県産業振興施設)へライブを見に来た県外からの観光客に対し、駅での道案内や観光案内、また「めがねモニュメント」での写真撮影を行うなどのおもてなしをしているそうです。公的な要請を待たずに、市民が一体となって協力し、来訪者を温かく歓迎する姿勢は、まさに「市民主役」を掲げる鯖江市が誇る「まちの強み」そのものだと深く感じました。

鯖江市観光協会の方からお話を伺った際の様子

活動の中で苦労したことと、それをどのように乗り越えたかを教えてください。

鯖江市のレッサーパンダは、市の広告塔として活用するには認知度が低いことが課題としてありました。また、地場産業とレッサーパンダの結び付きが弱いという課題もあり、高級感やブランド価値のある地場産業を、かわいらしく親しみのあるレッサーパンダを使ってアピールする方法を模索する過程が大変でした。

チームで議論を重ね、私たちは「集客と産業継承の両立」を目指し、ファミリー層をターゲットにする戦略を立てました。具体的には、ふるさと納税の返礼品に使用する梱包材を活用してレッサーパンダの全国的な認知度を高めることと、地場産業のブランド価値を意識した高級感をコンセプトとする体験型宿泊施設の導入を考案しました。これにより、集客から宿泊、体験につながるプランを提案することができました。

活動全体を通して学んだことや成長したこと、自身の中での変化を教えてください。

「チームで成果を出す力」が身に付きました。この活動では、学部や学年、専門性が異なるメンバーが集まる中で、意見を尊重し合い、それぞれの強みを最大限に生かすことで、一人では到達できない質の高い提案を生み出すことができました。

さらに、地域の課題解決には、机上のデータ分析だけでは限界があることから、フィールドワークの大切さも学びました。観光協会や市民の方々から直接ヒアリングすることで初めて、住民の生の声や真のニーズ、そして鯖江市の強みを発見できることを痛感しました。この経験から、地域創生という分野に対する視点が大きく変化し、実践的なアプローチの重要性を深く理解できました。

鯖江市内の様子

このプログラムは、どのような人に参加を勧めたいですか。

このプログラムは、新しい交流の輪を広げたいと考えている人に最適です。学部や学年を超えた多様な価値観を持つ仲間と出会い、互いに刺激し合うことができます。また、座学ではなく実社会の課題解決に挑戦し、人前で自信を持って話すスキルを習得したい人には特にお勧めです。自ら考え行動することで、チームに主体的に貢献する楽しさを知り、将来に生きる確かな実践力を身に付けることができると思います。

将来の夢や目標、今後チャレンジしたいことなどを教えてください。

私の将来の目標は、まちづくりや地域活性化に貢献できる仕事に就くことです。今回のプログラムに参加して、地域創生のためのプランを考えるには、座学から得た知識だけでは不十分で、現地でのヒアリングやフィールドワークを通じてこそ、真の課題や解決策が見えてくることを深く学びました。

また、中間発表や最終発表の準備に取り組む中で、自分の課題も明確になりました。それは、プレゼンテーション能力の向上です。今後は、地域で学んだ貴重な知見を最大限に生かせるよう、人前で説得力のあるスピーチができるスキルを徹底的に磨きたいと思っています。この学びとスキルを掛け合わせ、将来、地域社会に貢献できる人材になることが目標です。

明大生・高校生に伝えたいメッセージをお願いします。

鯖江市への学生派遣プログラムを通じて、学部や学年が異なる個性豊かな仲間と出会えたことは、本当に大きな財産です。私たちは互いに刺激し合い、時には意見をぶつけ合いながら、4泊5日という短いながらも大変有意義な時間を共にしました。私のように、人前で話すことや自分の意見を主張するのが苦手だと感じている人には特に、このプログラムへの挑戦を心からお勧めします。

中間発表会後の集合写真
ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

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