長崎県松浦市「離島半島における持続可能な暮らしと地域振興策について考える」で知名度向上施策を提案│南野紗良さん
商学部学生社会連携付属明治高等学校・明治中学校
明治大学地域連携推進センターは、協定に基づく連携事業として「学生派遣プログラム」を実施しています。この活動を通じて連携地域が取り組むプロジェクトの推進や地域振興に貢献しつつ、参加学生が地域への理解を深め、社会性を培う機会となることを目的として、公募型の課外活動として開催しています。
今回は、2025年度の学生派遣プログラム「離島半島における持続可能な暮らしと地域振興策について考える」に参加した、南野さんにお話を伺いました。
なお明治大学と長崎県は、2019年10月に連携協定を締結し、連携事業を実施しております。

プログラムでの活動内容を教えてください。
「離島半島における持続可能な暮らしと地域振興策について考える」をテーマに、長崎県松浦市で現地調査を行いました。事前学習を経て9月に5日間市内を訪問し、松浦市の自然や観光資源の視察、住民の方々へのヒアリングなど、幅広い調査を実施しました。最終日には中間報告を行い、そこで頂いたフィードバックを基に施策案を再検討しました。現地活動後も議論を重ね、10月末の最終発表に向けて、私たち学生ならではの視点から松浦市の魅力を生かした提案をまとめました。
プログラムへの応募理由を教えてください。
地方創生に強く関心があったためです。私自身が地方出身であることや、学生生活において地方で活動する機会があったことから、地方が抱える課題に向き合った経験がありました。そうした中で、実際に地方の市政に触れながら現地調査を行い、その成果を市の職員の方々へ直接提案できる点に、大きな魅力を感じました。また、少子高齢化やインフラ維持など、多くの地方が抱える課題に対し、松浦市の「離島半島」という特性を生かした解決策を探れる点にも興味を持ち、参加を決意しました。
鷹島を訪問した際の一枚活動の中で、印象に残った出来事を教えてください。
特に印象深かったのは、松尾農園でのインタビューです。オーナーの方から、開業までの苦労や経営者としての課題認識、市の将来像について伺いました。実体験に基づくお話は、地域経済や持続可能な産業の在り方を考える上でとても勉強になりました。また、行政と協力したテナント型商業施設の構想など、地域の未来を見据えた取り組みについてのお話は、行政の事業の方向性をより具体的に考えるきっかけとなり、施策を考える大きなヒントになりました。
そのほか、青島で体験プログラム事業をされている方など、多くの方からお話を伺いましたが、市民の方々が松浦市を大切に思い、課題と真剣に向き合っていることを強く実感しました。
青島を訪問し「ほんなもん体験(すり身揚げ作り)」を通して住民の方々と交流しました
DXハイスクール採択校の長崎県立松浦高等学校で、ドローンを活用した地域活性化の取り組みについて、高校生との合同ワークショップを行いました活動の中で苦労したことと、それをどのように乗り越えたかを教えてください。
最も苦労したのは、「首都圏の学生だからこそ持てる視点」をどのように提案に生かすかという点でした。
当初は医療や移動などの課題が中心だと考えていましたが、現地調査をしてみると、実際には市民の方々は生活インフラにはおおむね満足しており、私たちの想定とは異なる課題意識があることが分かりました。そこで、提案方針を大きく見直し「市の知名度向上」と住民にとっての「持続可能な暮らしの実現」という二つの視点を両立する形でテーマを再設定しました。現地の方との交流や議論を丁寧に重ねることで、より適切な施策の方向性が定まり、私たちならではのアイデアを生み出すことができました。
知名度向上の施策提案となった松浦鉄道活動全体を通して学んだことや成長したこと、自身の中での変化を教えてください。
活動を通して最も学んだことは、チームワークの大切さと時間の使い方です。
各メンバーが異なる視点から意見を出し合い、市の計画書も参照しつつ施策へと落とし込む過程では、提案が住民のニーズに沿っているかを常に振り返りながら、多くの試行錯誤と話し合いを重ねました。また、限られた期間で提案を完成させるために、やるべきことを明確化し、段階ごとに優先順位をつけながら分担して進めました。特に現地調査後は全員がそろう機会が少ない中で、こまめに進捗を共有し合うことで、納得のいく発表につなげることができました。
松浦市役所で、市と県の職員の方に中間報告を行っている様子このプログラムは、どのような人に参加を勧めたいですか。
現地調査や住民の方々との交流が多いため、多様な価値観に触れながら学びたい人にお勧めです。また、地域の課題に関心があり、実際の行政や住民の方々と協働しながら解決策を考えてみたい人にとっては、大きく成長できる機会になると思います。
将来の夢や目標、今後チャレンジしたいことなどを教えてください。
今回のプログラム参加を通じて、地域のまちづくりや活性化に関わる仕事への関心が一層高まりました。5日間の現地調査で住民の方々からお話を伺う中で、皆さんが松浦市を大切に思い、将来の課題に真剣に向き合っている姿が強く印象に残りました。地域のために多様な形で貢献しようと努力される様子を間近で体感し、今後は、地域への関心をさらに広げ、どのような視点や専門性からアプローチできるか学びを深めるとともに、実践的な機会にも積極的に参加していきたいです。
明大生・高校生に伝えたいメッセージをお願いします。
学部、学年がそれぞれ異なる学生が集まり一つの課題に取り組む中で、さまざまな考えに触れることができると同時に、チームワーク力を高めることができます。私自身、普段は関わることのない学生や大人の方々との交流を通して、自分の将来やキャリアを見つめ直すきっかけにもなりました。ぜひこの貴重な場を生かして、キャリアを考える機会にしてほしいです!
松浦市役所での中間報告後、仲間との一枚Meiji NOWでは、Xアカウント(@meiji_now)で日々の更新情報をお知らせしています。Xをご利用の方は、以下のボタンからMeiji NOW公式アカウントをフォローして、情報収集にご活用ください。
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