
今回は、2022年度に開催された「第1回明治ビジネスチャレンジ」で最優秀賞に輝き、2023年9月に起業した大神さんにお話を聞きました。
明治ビジネスチャレンジに応募しようと思ったきっかけを教えてください。
私が以前から行っていた活動をさらに大きなものにしようと、「起業」という選択肢を検討し、さまざまなビジネスコンテストに挑戦し始めたタイミングで、明治大学経営学部主催のビジネスコンテスト「明治ビジネスチャレンジ」がスタートするという情報が舞い込んできました。「これは応募するしかない!」とすぐに決断しました。
明治ビジネスチャレンジは、「全学部生・大学院生が対象」と開かれたものであること、一次選考通過者には1カ月間に及ぶアクセラレーションプログラム(※1)があること、そして明治大学内外のスタートアップ関係者の方々との人脈形成のきっかけになることなどが、特に魅力であると感じました。
※1 アクセラレーションプログラム:ベンチャーキャピタリストであるメンターの方々に毎週プレゼンテーションを行い、アドバイスをいただいてビジネスプランをブラッシュアップしていく全4回のプログラム
明治ビジネスチャレンジ応募に当たり、最も大変だったことを教えてください。
応募書類の作成が、想像以上にハードルが高く苦戦しました。私はこれまで、市場やターゲットの分析、ビジネスモデル・事業計画といったものの構想に触れた経験がなかったので、これらを書類として作成することはとても難しかったです。
しかし、書類選考の時点ではこれらの正確性だけが問われるわけではないので、ビジネス分野の学習経験がない方々も、応募することを不安に思わず挑戦していただきたいです。実際、私も応募書類を作成しながらビジネスに関する理解が深まり、成長できたと感じています。
選考を通して印象に残っていること、学んだことを教えてください。
私が向き合っている分野は、社会性が強い分、マネタイズが難しく、アクセラレーションプログラム中にさまざまな葛藤にさいなまれ、半ば投げやりな気持ちで「私は会社という形へのこだわりはない。非営利団体などではいけないのか」といった趣旨の発言をしたことがありました。
すると、メンターの方々は優しく丁寧に「したくないことで無理やり起業してほしいわけではない。あなたがしたいことで挑戦をしてほしい。本当にしたいことは何なのか、もう一度自問してほしい」と言葉を掛けてくださいました。また、プログラムディレクターの川野正雄さんは、個人的に面談の時間を取ってくださり、じっくりと私のビジネスモデルについて一緒に考えてくださいました。そういった全てに支えられ、最終選考時には決意の固まったピッチ(※2)が行えたと感じています。
※2 ピッチ:短時間で分かりやすい提案を行うプレゼンテーションのこと

明治ビジネスチャレンジや明治大学の起業支援の良い点・強みを教えてください。
明治ビジネスチャレンジは、私のような文学部の学生も、合田さん(第1回明治ビジネスチャレンジ優秀賞)のような農学部出身の方も入賞実績があるように、本当に「全ての明大生」のためのビジネスコンテストです。私たち学生にはチャンスの扉が開かれ、大学全体としてもさまざまな才能を見出せる可能性が高まる、素晴らしいコンテストだと思います。
また、普段関わる機会のない他学部・他キャンパスの学生同士や、学部生と大学院生の交流も生まれるなど、学部の垣根を越えた活発な交流のきっかけになっていることも、このコンテストの強みだと思います。

起業された会社の概要について教えてください。
「みんなが『自分』を生きられる社会をつくる」をビジョンに、社会課題解決に向けビジネス的アプローチを試みる会社です。第1回明治ビジネスチャレンジで最優秀賞を受賞したプラットフォーム開発をはじめ、言語レッスンや講演・講習など、「今日を人生の分岐点へ。」変えていくためのさまざまなサービスを提供しています。
どのような思いからその会社を起業されたのですか。
私は元々、自身のさまざまな「マイノリティー性」の自覚から、生きづらさを感じていました。また、同時に自分と同様の悩みが原因で孤独な状態にあったり、自ら命を絶ってしまう人が一定数いることに、課題意識を持っていました。そのような社会の現状を少しでも変えていくために、一人の「活動家」としてアプローチを試みてきました。
この思いに賛同してくれる仲間が増え、「チーム戦」として進んで行く覚悟を決めたこと、ビジネスの力を使って「より多くの人に関係する包括的なアプローチへ挑んでいきたい!」と考え始めたことなどが、法人化のきっかけとなりました。

将来の夢や目標、今後チャレンジしたいことを教えてください。
弊社のミッションとして掲げている、
を達成し、ビジョンである「みんなが『自分』を生きられる社会」を実現することが、将来の夢であり、目標です。
この大きな「ビジョン」一点に向けた、多様なサービスを構想し、それぞれの角度でどのアプローチが効果的なのか、一つずつ検討していく日々です。そのため、現在は、プラットフォーム開発に加え、言語レッスン・通訳サービス、講演会、映像教材制作など、幅広く各部門ごとに着手しています。
起業を考えている明大生・受験生へのメッセージをお願いします!
今、この歴史と伝統を誇る明治大学は、「明大発スタートアップ育成」という新たなステージへ歩み始めたと感じています。つまり、これから明治大学に入学すること、現在明治大学生であること、それだけで一つのチャンスをものにしていることになります。今こそ「明治」です。ぜひ一緒に、自分の人生における分岐点、明治大学における分岐点に挑みましょう。数十年後に、伝説になる「今」を送ってみるのも良いと思いませんか?何事も「思い立ったら、すぐ行動」です!

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