
企業が提示した課題に対して、大学生のチームが解決策を提案し、その内容を競う「神奈川産学チャレンジプログラム」。2022年に開催された「第18回神奈川産学チャレンジプログラム」で見事、最優秀賞を獲得した坂井昭良さんに、同プログラムでの自身の学びや、これからビジネスの世界でも生かしていきたいという農学部での学び、大学生活でのさまざまな挑戦についてお話を伺いました。

撮影場所は、明治大学農学部がある生田キャンパス内の植物工場。ここでは所属する生産システム学研究室の研究が進められています
文系の分野に理系の知識で挑戦。初めてのリーダーを経験して得た学び
産学連携のプログラムに参加した理由を教えてください。
1年次はコロナ禍の影響で授業や課外活動がオンライン中心となり、思い描いていた大学生活を送ることができませんでした。2年次に規制が緩和されて活動しやすい状況になり、本気で取り組めるものを探していました。そのような時に明治大学からのお知らせで「神奈川産学チャレンジプログラム」の案内があり、「これだ!」と直感的に感じました。企業の課題に対して解決策を提案するという取り組みが刺激的で、急いで同じ農学科の仲間を誘って応募しました。
坂井さんのチームが取り組んだ課題、提案内容について教えてください。
このプログラムでは30を超える企業がそれぞれ異なる課題を提示し、参加チームが課題を選んで提案資料の作成に取り組みます。私たちは、シウマイで有名な株式会社崎陽軒の「フードテックを活用した崎陽軒の取り組むべき課題と成長戦略」という課題にエントリーしました。多彩な業界のテーマがある中でこの課題を選んだのは、食を扱う農学部農学科で学ぶ自分たちの知見が生かせそうだと思ったからです。
私たちはまず、3C分析やSWOT分析といった経営学的な分析を行った上で、崎陽軒の成長戦略や商品戦略を検討しました。そして環境配慮やSDGsを意識して、シウマイの肉に「大豆ミート」を使用した「地球に寄りSOY弁当」という商品の開発を提案しました。理系学科の私たちは、文系学科から参加している他チームにも負けないよう、経営学などの専門書を読むなどして知識を補いながら進めていきました。
最優秀賞を獲得した時の気持ちはいかがでしたか?
もう喜びがリミットを超えて……。一周回って冷静でした(笑)。自分がチームのリーダーを務めたのですが、こうした立場が実は初めてで、さまざまな苦労をした中で結果を出せたので、本当にうれしかったです。崎陽軒の社長の前でのプレゼンテーションは緊張しましたし、最後の最後まで不安でしたが、最高の結果で終えることができたので、安堵感でいっぱいでした。

苦労したこと、またそれを乗り越えて学んだことを教えてください。
大学の夏休み期間にメンバーが離れ離れになったり、それぞれの予定が合わなかったりして、チームのモチベーションが下がっていた時期がありました。「このままでは勝てない」と思い、作業体制を工夫しました。自分が全ての工程でリーダーとなるのではなく、提案書の章ごとにリーダーを決めたことで、各自のやるべきことが明確になり、再び高い意識を持って取り組むことができました。
痛感したのは、チャレンジには困難が付きものだということです。そして困難に遭遇したら、一度立ち止まって解決策を考えること、諦めずに常にポジティブでいることの重要性を学びました。
農学部で学んでいる最先端の知見を将来に生かしたい
農学部での学びについて教えてください。
生産システム学研究室に所属し、「植物工場」に関する研究にこれから取り組む予定です。屋内で野菜などの農作物を作る植物工場は、地理的環境や気象状況に左右されず、年間を通して安定した収穫を実現できます。また、外部から害虫などが侵入できない環境なので、無農薬栽培が可能となり、異物混入のリスクが少なく済みます。このような植物工場は、田畑での栽培、温室栽培に続く「第三の農業」と言われており、今後ますます注目が高まる分野だと感じています。
将来は、食に関わる仕事がしたいと思っており、農学部・農学科の授業や生産システム学研究室で学んだ最先端の知見を生かしたいと考えています。

留学生のサポートや300人のサークル幹部も。全力で楽しむ大学生活
その他、取り組んでいる活動について教えてください。
外国人留学生の生活や日本語の授業をサポートするボランティア活動を2年次から行っています。さまざまなバックグラウンドを持つ留学生との交流を通じて、多様な価値観や考え方に触れられるのは大きな刺激で、自分の中の「当たり前」を見直す機会になっています。
バドミントンサークルでは副幹事長を務めています。コロナ禍で失われた大学生活を取り戻すべく、多彩な交流イベントを企画しています。300人近く在籍する大規模サークルなのでまとめることは大変ですが、自分たちのアイデアでメンバーが楽しんでくれたり、課題が解決したりした時には、この上ない喜びとやりがいを感じます。
地元の佐賀県を離れて首都圏の私立大学に進学させてもらっていることもあり、「学業にも課外活動にも全力で取り組み、充実した大学生活を過ごしたい」と思っています。

その他、バドミントンサークル、寮のイベント企画や湘南の浜辺を清掃するボランティア活動などさまざまな活動にも挑戦しています
明治大学はチャレンジしたい人にとって最高の環境
受験生の皆さんにメッセージをお願いします!
大学生活の4年間は、自ら動けばいくらでもチャレンジができますが、動かなければ何事もなく終わってしまいます。
明治大学はチャレンジしたい人にとって最高の環境が整っています。学業だけでなく、課外活動やボランティア活動など学生が挑戦できる機会が豊富にあり、大学側から絶えず情報を提供してくれます。私自身、「神奈川産学チャレンジプログラム」やボランティアの情報は全て大学からのお知らせで知りました。
皆さんもこうしたチャンスを逃さず、大学生活をより充実したものにするために、たくさんのことにチャレンジしてほしいです。
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