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2024.01.16

理系から文系学科へ進学。タイ経済を肌で感じ、東南アジアの経済の現場と理論を学び続けた4年間|櫻井雪乃さん

農学部学生ゼミ・研究室留学国際交流生田Meijing

理系だった高校時代に、ビジネスへの興味から農学部の文系学科である食料環境政策学科への進学を決めた櫻井さん。文系学科へ進学した理由、タイの経済を肌で感じた1年間の留学生活、IT業界での就職を決めるまでの経緯など、「興味を持ったことは、とりあえずやってみる」の精神で何事にもチャレンジし続けた大学生活について、お話を伺いました。

明治大学での学生生活を紹介してくれた方櫻井雪乃さん(農学部 食料環境政策学科4年)

高校時代は理系。ビジネスへの興味から文系学科へ進学

明治大学農学部の文系学科である、食料環境政策学科を選んだきっかけを教えてください。

高校入学時は理系でしたが、高校2年生の時に参加したビジネスコンテストをきっかけに、物流やビジネスの仕組みに興味を持つようになりました。進学先として経営や経済系の学部という選択肢もありましたが、「もっと専門的に特化した分野を学びたい」という思いがありました。

そこで、もともと食への関心が高かったため、農業経済学を学ぶことができる明治大学農学部の食料環境政策学科を選択しました。明治大学は規模が大きく、広い人脈を築ける点も魅力的でした。文系も含めた他学部履修の制度を利用して、多様な興味を持つ学生と知り合えたら面白そうだとも感じました。

タイの経済を肌で感じた1年間の留学生活

学生生活の中で、特に印象に残っていることは何ですか?

農学部の学部間協定留学の制度を利用して、大学3年次の秋学期からタイのシーナカリンウィロート大学で約5カ月間学んだことです。高校生の時に台湾に留学し、語学力不足でコミュニケーションをうまく取れず悔しい経験をしました。そのため、大学では長期留学に挑戦し、海外の暮らしや文化をより深く理解したいと思っていました。入学直後はコロナ禍で大学に通えない日々が続いたからこそ、「チャンスがあれば積極的にチャレンジしよう」という意気込みで踏み出しました。

タイのロイクラトン祭り(※1)で現地の友人と灯籠を流した時の一枚(本人は一番右)

※1 ロイクラトン祭り:水の祭典とも呼ばれている。「ロイクラトン」とは灯籠(クラトン)を川に流す(ロイ)というタイの人々の間で古くから続いていた風習

なぜ留学先にタイを選んだのですか?

2年次に受講した「プロジェクトゼミ」での学びが大きく影響しています。私は、食料貿易論を専門とする作山巧先生のゼミを選択しました。そこで日本の菓子の輸出事例を学んだ際に知ったことは、東南アジアが輸出先として台頭しているということです。中でもタイが東南アジア各国の流通をつなぐハブの役割を果たしていると知り、「実際にこの目でタイの経済状況を見てみたい」と思いました。また、タイに留学する人が周りに少なく、独自の経験を積めると感じたことも理由の一つです。

馴染みのないタイで過ごすことに不安はありませんでしたか?

明治大学には「明治大学アセアンセンター」という機関があり、明治大学と東南アジアをつなぐ拠点としてさまざまな活動を行っています。留学前にはこのアセアンセンターのセンター長を務めるタンシリトンチャイ,ウィライラック先生による「東南アジア理解講座」を受講し、タイの言語や文化的背景をしっかり理解した上で出発することができました。

明治大学アセアンセンターはシーナカリンウィロート大学のキャンパス内に拠点があるので、現地で困った時もすぐに駆け込むことができて、とても心強かったです。

明治大学アセアンセンターで仲間たちと撮影した集合写真

留学先ではどのような学びがありましたか?

タイの経済を肌で感じることができました。特に印象に残っていることは、多くのお店でキャッシュレス決済が導入されていたことです。現地のことを教科書で学ぶだけでなく、体験を通して学べたことが刺激的でした。

また、文化の違いも実感しました。親日国のタイでは和食は受け入れられていると思っていましたが、蒸し暑い気候では、和食の「あんかけ」を使ったメニューが不評であることなど、意外な発見がありました。留学前に受講した「国際貿易協定論」で、日本の食品を海外で販売する際の苦労や工夫などを学んでいた背景もあり、「日本の食品が現地で受け入れられるにはどうしたらいいだろう」と考える機会になりました。

世界の貿易の最前線でフィールドワーク

現在の研究内容について教えてください。

訪日外国人と日本の輸出額の相関関係を調査しています。留学中に気付いたことは、タイには数多くの和食レストランが出店していたことです。また、私自身、タイから帰国した後に自然とタイ料理屋を訪れることが増えました。「現地に行くという経験が、購買行動にも影響しているのではないか」と考え、因果関係を調べようと思いました。

現在は、タイの友人にアンケートを取りながら調査を進めています。ゼミの担当教員である作山先生も同じテーマで研究をされていたことがあるようで、アドバイスをいただきながら進めています。

農学部食料環境政策学科はどのような環境ですか?

授業やゼミでフィールドワークの機会が多く、自分の目で現場を見ながら視野を広げることができます。これまで、JA(農業協同組合)やJETRO(日本貿易振興機構)といった農業、貿易の最前線を訪れました。先日はゼミの実習で台湾の大学を訪問したばかりです。第一線で活躍されている方の話を伺い、研究に新たな視点を取り入れることができています。

「JAやJETRO、台湾の大学など、農業・貿易の最前線を訪れたり、第一線で活躍する方にお話を伺ったことが研究に新たな視点をもたらしている」と語る櫻井さん

学部を超えた学びの広がり

他学部履修の制度はいかがでしたか?

他学部履修の制度を活用し、幅広い分野の学びを得られました。留学前には、情報コミュニケーション学部の「タイ語」を受講しました。留学前の言語学習が目的でしたが、一緒に受講した情報コミュニケーション学部の学生と交流できたことも、他学部で学ぶ学生の視点を知ることができたので、視野が広がりました。

政治経済学部が開講する「トップスクールセミナー(※2)」では、世界各国の大学から招いた教員が英語で専門分野の講義をしてくださいます。実は、私の留学先の大学でお世話になった先生も招かれていました。日本にいながら海外の大学の先生から専門的な話を英語で聞くことができる、とても貴重な機会でした。

※2 政治経済学部 トップスクールセミナー:政治経済学部が世界各国の「トップスクール」と呼ばれる海外大学から教員・研究者を招き、政治学、経済学、社会学、行政学、歴史学といった専門分野を英語で教える授業。政治経済学部以外の学生も履修できる

「情報コミュニケーション学部や政治経済学部など他学部の授業も履修し、視野が広がった」と語る櫻井さん

ITの力で農業の現場をより良くしたい

今後の進路について教えてください。

卒業後はIT企業に就職し、エンジニアとして働く予定です。ゼミで農業の現場を見学した際、ITの導入や業務のシステム化があまり進んでおらず、手作業が中心になっていることを実感しました。ITの力で農業の効率化に貢献できればと考えています。まずはエンジニアとして多くの業界と関わりながら経験値を高め、いつかは農業界を活気づけられるような存在になりたいです。

受験生の皆さんにメッセージをお願いします!

さまざまなことに挑戦する中で、自分が大切にしたい価値観や将来なりたい姿が見えてきます。私は大学生活を通じて、「興味を持ったことは、とりあえずやってみる」というチャレンジ精神を持ち続けていました。明治大学の友人は好奇心旺盛で行動力のある人ばかりです。周りから刺激を受けながら、積極的に挑戦できた学生生活でした。

明治大学には、学業でも課外活動でも、何かを始めるきっかけがたくさんあります。もし明治大学に入学したら、アンテナを張って、自分が面白いと感じられるものをぜひ見つけてほしいです。

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