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2026.03.23

宮下芳明教授が「World OMOSIROI Award 12th.」を受賞―「食の常識を塗り替える味覚メディアの開拓者」として、持続可能な食の未来を提示|総合数理学部

総合数理学部数理・データサイエンス・AI
デモブースでエレキソルトと21美ーバーを手にする宮下教授

総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授が、一般社団法人ナレッジキャピタルが主催する「World OMOSIROI Award 12th.」を受賞した。

同賞は、未知なる発見や出会いに心が震えることを「OMOSIROI」と定義し、「未来を面白くする」人物を選出するアワード。第12回となる今回は、世界15か国・約100人の候補者から、宮下教授を含む5人が選出された。

会場の様子

宮下教授は「食の常識を塗り替える味覚メディアの開拓者」として、視聴覚メディアのように味を記録・編集・再生する「味覚メディア」の研究が評価された。宮下教授のほか、土谷尚嗣氏(オーストラリア、モナッシュ大学教授)、長谷川愛氏(アーティスト・慶應義塾大学准教授)、レベッカ・メリック氏(オーストリア、デジタルアーティスト・建築家・実験映画監督)、アン・マッキノン氏(イギリス、Ristband CEO)が受賞した。

授賞式は2月21日に大阪府のナレッジシアターで行われ、宮下教授はスピーチで「健康上の理由やアレルギーを気にせず、一人ひとりが好きなものを好きなだけ食べて、それでいて体が健康でいられるような、食にまつわる幸せと持続可能な未来を、味覚メディアによって実現していきたい」と述べた。

受賞の背景

宮下教授は、味覚メディアの概念を提唱し、その研究と社会実装をけん引してきた。2025年には「味覚・嗅覚・栄養のメディア化による食の再構築」と題した論文を発表し、22世紀に向けた「究極の調味家電」のビジョンを示した[1]。また、株式会社NTTドコモとの「味覚共有技術」[2]、キリンホールディングス株式会社との共同研究による、電気の力で減塩食の味を増強する食器「エレキソルト」[3]、北陸製菓株式会社の「21美ーバー」[4]など、社会実装の推進にも注力している。2025年に刊行した書籍『13歳から挑むフロンティア思考 イグ・ノーベル賞受賞者が明かす「解なき世界」を生き抜くヒント』[5]では、喜びや好奇心を加速させる創造の原動力となる思考法を発信している。

遠隔デモンストレーションによるテレイートの試み

宮下教授は授賞式に、テレプレゼンスロボット「Beam(ビーム)」を用いて遠隔から参加。デモンストレーションブースでは、「エレキソルト」や「21美ーバー」の展示に加え、試食のデモンストレーションも実施した。離れた場所に味の体験を届ける「テレイート」の概念を具現化する取り組みとして、次世代のメディア体験を提示した。

スピーチの様子