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2026.03.24

佐藤駿選手 インタビュー|自分を信じてつかんだ二つのメダル――仲間のエールを力に|ミラノ・コルティナ冬季五輪フィギュア団体銀・男子シングル銅メダリスト

学生インタビュースポーツMeijing

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで、フィギュアスケート団体銀メダル、男子シングル銅メダル獲得という快挙を成し遂げた体育会スケート部の佐藤駿選手。今回はオリンピックでのエピソードや「TEAM JAPAN」の結束力、指導を受ける日下(くさか)コーチへの思い、今後の目標などについて伺いました。

プロフィールミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック
フィギュアスケート団体銀メダリスト・男子シングル銅メダリスト
佐藤駿選手(政治経済学部4年)

佐藤駿選手Meijing

宮城県出身。2022年明治大学政治経済学部に入学・体育会スケート部に入部。現在同学部4年生
【主な戦歴・受賞歴】

  • 2026年 ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック 男子シングル 銅メダル
  • 2026年 ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック 団体戦 銀メダル
  • 2025年 全日本選手権 2位
  • 2025年 GPファイナル 3位
  • 2025年 GPシリーズ NHK杯 2位
  • 2025年 GPシリーズ 中国大会 優勝

団体戦の男子フリー最終滑走。「TEAM JAPAN」の期待を力に

フィギュアスケート団体で銀メダル獲得

――オリンピックでの素晴らしいご活躍、おめでとうございます。フィギュアスケートの団体では銀メダル、男子シングルでは銅メダルを獲得された今、率直な心境をお聞かせください。

佐藤駿選手(以下:佐藤) ありがとうございます。まず、団体戦でしっかりと銀メダルを獲得することができ、そこから良い流れを作って個人戦の演技にも臨むことができました。その結果として、二つのメダルを手にすることができて、本当にうれしく思っています。

――団体戦ではオリンピック初出場ながら、男子フリースケーティング(以下:フリー)の最終滑走という大役を務められました。リンクに向かう直前、どのようなお気持ちでしたか。

佐藤 もちろん、試合前はすごく緊張していましたが、スタートポジションに立ってからは、あまり緊張はしていませんでした。TEAM JAPANの声援を胸に、「もう、やるしかない」という思いでしたので、終わってみれば、思ったほど緊張せずに気持ちを切り替えて滑りきることができました。

――冒頭の4回転ルッツは、4.11点の出来栄え点(GOE)という素晴らしいジャンプでした。

佐藤 今までの4回転ルッツの中でも、一番良い出来だったと思います。団体戦をリンクサイドで応援していた時も、他のカテゴリーの選手たち一人ひとりが、次々と素晴らしい演技をつないでいく姿を間近に見ていました。「チーム一丸となって勝ちにいこう」とする思いを感じていたので、「自分もそのバトンをしっかり受け取って、良い形で締めくくりたい」という一心でした。団体戦で銀メダルを獲得できて、本当に良かったです。すごく楽しかったです。

――大きなプレッシャーがかかる場面でしたが、周囲から支えになった言葉はありましたか。

佐藤 団体戦でフリーを担当することが決まった時、今シーズンはフリーの調子が良かったので、TEAM JAPANの皆さんから、「絶対に大丈夫だよ」と声を掛けていただきました。日下匡力(くさかただお)コーチからも、「駿くんなら、大丈夫!」と力強い言葉をいただいたので、後は、期待に応えるだけだと自分を信じることができました。

――ノーミスの演技で自己ベストを更新した瞬間、渾身(こんしん)のガッツポーズが印象的でした。

佐藤 最終滑走でしたし、良い形で団体戦を終えられたことが何よりもうれしくて、とっさにガッツポーズが出ました(笑)。フィニッシュポーズの後に、TEAM JAPANの皆さんが喜んでいる姿を見た瞬間が、今回のオリンピックで一番印象に残っている感動的なシーンです。

佐藤駿選手(ミラノコルティナ冬季五輪)団体銀メダル フィギュアスケート団体で銀メダルを獲得し笑顔の選手たち(左から2番目が佐藤選手)(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

仲間のエールを力に。「諦めずに自分を信じる力」がつないだ快挙

男子シングルはショートプログラム9位からの大逆転で、銅メダル獲得

――続いて男子シングルについて伺います。ショートプログラム(以下:ショート)9位からの大逆転で銅メダルを獲得されました。ショートからフリーまでの2日間、どのように気持ちを立て直しましたか。

佐藤 ショートでは普段はしないようなミスをしてしまい、正直「フリーで立ち直れるか」という不安はありましたが、中2日空いたことが自分にとってはプラスに働きました。気持ちをリセットし、体もしっかり休めることができたので、フリー当日は、ショートとは別の試合のような感覚で、気持ちを切り替えて臨めたことが大きかったです。

――同じく日本代表として出場した三浦佳生選手(政治経済学部2年)と、フリーの試合前にお話をされたそうですね。

佐藤 はい。三浦選手もショートが思うような結果ではなかったので、「フリーでお互いに頑張ろうね」と話をしていました。彼から、「駿は諦めるような人じゃないし、点差もそれほどないから、まだメダルを狙えるよ。諦めずに頑張っていこう!」という言葉を掛けてもらい、すごく気持ちが楽になりました。「後はもう、自分を信じてやるしかない」という気持ちに切り替わり、フリーに臨むことができました。

――フリーの演技を終えた後、順位が上がっていく状況をどのような心境で見守っていましたか。

佐藤 メダルを獲得できるとは、1ミリも考えていなかったので、「8位以内に入って賞状がもらえたらいいな」というくらいの気持ちでした。なので、銅メダルだと分かった時は、「これは良い夢なのかな」と思うほど、とても驚きました。

「TEAM JAPAN」は世界一の結束力

――オリンピック期間中、フィギュアスケートの選手同士の仲の良さが、とても印象的でした。楽しかった思い出はありますか?

佐藤 男子シングルの競技が終わった後、少し時間が空いたので、男子選手3人でジェラートを食べに行ったり、ピザやパスタをテイクアウトして部屋でパーティーをしたりしました。後は、女子シングルの試合の応援にも行きました。カテゴリーが違っても、一人ひとりの選手が、全員を全力で応援していたので、TEAM JAPANの結束力、団結力は世界一だと感じています。

佐藤駿選手

恩師、日下コーチへの感謝

――団体戦の表彰台では、スケート靴が刃こぼれするアクシデントがあり、研磨のスペシャリストである日下コーチが(ブレード)の研磨をしてくださったというエピソードも話題になりました。日下コーチへの思いをお聞かせください。

佐藤 日下先生には、本当に幼い頃からたくさんお世話になっていますが、特に今回はTEAM JAPANの救世主でした。みんなのスケート靴を研磨して、しっかりと調整してくださいました。そのおかげで、男子シングルでの銅メダル獲得も実現したと思っています。心から感謝しています。

ミラノ・コルティナ冬季五輪 佐藤駿選手 男子シングル 銅メダル(左から佐藤選手、日下コーチ) 男子シングル フリーの演技を終え、笑顔の佐藤選手と日下コーチ(左から:佐藤選手、日下コーチ)(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「自分が主人公になれる」フィギュアスケートの魅力

――前回の北京五輪の時期には左肩の手術も経験されるなど、今までさまざまな困難を乗り越えて、今回見事二つのメダルを獲得されました。佐藤選手にとって、フィギュアスケートとは、どのような存在でしょうか。

佐藤 広い会場で、全員が自分一人だけに注目しているという特殊な競技です。ものすごいプレッシャーの中で演技をする難しさもありますが、同時に「自分が主人公になれる喜び」もあります。オリンピックを経験して、改めてすごい競技だなと感じています。

佐藤駿選手(ミラノコルティナ冬季五輪)団体銀メダル五輪初出場のフィギュアスケート団体で男子FS自己ベストを更新した佐藤選手(写真:ロイター/アフロ)

結果を追わず「自分の演技」に集中。気持ちの強さがメダルにつながった

――初めてのオリンピックを経験されて、ご自身の中で成長したと感じることはありますか。

佐藤 今シーズンは、特に「気持ち」が強くなったと感じています。どの大会でも、あまり結果を追い求めすぎずに臨めたことが、一番良かったです。全ての試合で自分の演技に集中できていたことが、結果につながったのだと思います。

――これからの目標、そして挑戦していきたいことを教えてください。

佐藤 ステップやスピンなど、ジャンプ以外の要素でも取りこぼしがないように、レベルをしっかりと高めていきたいです。今シーズンはまだ世界選手権が控えていますので、まずはそこに全力を注ぎます。来シーズンに向けては、新しい挑戦として、4回転アクセルや、4回転ジャンプを多く練習していきたいです。

ミラノ・コルティナ冬季五輪 佐藤駿選手 男子シングル 銅メダルFSの演目『火の鳥』演技中の佐藤選手(写真:Raniero Corbelletti/アフロスポーツ)

メッセージ

明治大学の学生や関係者、ファンの皆さんへメッセージ

――最後に、応援してくれている明治大学の学生や関係者、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

佐藤 たくさんの応援、本当にありがとうございました。皆さんのご声援が大きな力になり、この結果につながりました。これからも多くの試合が続きますが、また温かいご声援をよろしくお願いします。

――貴重なお話をありがとうございました。さらなるご活躍を期待しています。本日は、ありがとうございました。

現地時間3月24日~29日開催の「ISU 世界フィギュアスケート選⼿権⼤会 2026」には、
佐藤駿選手(政治経済学部4年)、三浦佳生選手(政治経済学部2年)が出場予定です。
引き続き、明治大学体育会スケート部に温かいご声援のほど、よろしくお願いいたします!

ISU 世界フィギュアスケート選⼿権⼤会 2026

日程

現地時間:3月24日(火) 〜 29日(日) (チェコ プラハ)

男子シングル SP

現地時間:3月26日(木)

男子シングル FS

現地時間:3月28日(土)

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