2023.04.05

【思索の樹海(うみ)】『知の広場』―明治大学から新入生へのメッセージ―「積極的な学びが成長を加速させる」理工学部 光永威彦先生


【思索の樹海(うみ)】『知の広場』―明治大学から新入生へのメッセージ―は、先生の研究分野の紹介を通して、新入生に高校時代までと大学での勉強の違い・面白さ・心構えなどをお伝えするコーナーです。今回は理工学部の光永威彦先生に、ご執筆いただきました。
「思索の樹海(うみ)」『知の広場』を執筆いただいた先生光永威彦先生(理工学部専任講師)

PROFILE:
神奈川県出身。明治大学理工学部卒業、明治大学大学院理工学研究科建築学専攻博士後期課程修了。総合建築設計事務所にて建築設備に関する設計・監理に従事し、2020年より現職。設備設計一級建築士。専門は、給排水衛生設備、建築設備設計。共著に、日本建築学会編『建築を変える 拡張排水システム』(彰国社、2022年)など。

積極的な学びが成長を加速させる

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心からお祝い申しあげます。これから皆さんと一緒に学び合えることを今からとても楽しみにしています。

多様な学びがコミュニケーションツールになる

皆さんは高校時代までに、数学、物理、化学、歴史、地理、国語、英語など多様な科目の学びに時間を費やしてきましたね。大学では、そこで培った多様な基礎力をベースに、専門的かつ応用的な内容を学びます。そして、その先にある最先端の研究や、社会をより良くするための事象を扱っていくこととなります。

私の所属する建築学科では、「建築」について学びます。では、皆さんが考える「優れた建築」とは何でしょうか?それは当然、立場や時代によって異なりますが、近年では、豊かな生活と持続可能な社会を支えるために、「信頼性の高い技術と優れたデザイン性を兼ね備え、かつ自然環境と調和する、安全、安心、快適な諸環境を構築した建築」と言われます。さまざまな要素がありますね。優れた建築を実現するためにはそれら全てを構築する必要があるのです。

そのため、建築学科の学生たちは、「デザインに関連する意匠・計画・歴史」「構造・材料・施工」「環境・設備」の3分野にわたる広範囲な内容について学びます。これにより、意匠、構造、設備の各専門の建築士やそれ以外の専門家が協同して「設計・施工・維持管理する建築」において、各専門家とコミュニケーションする上で必要な専門性と教養を涵養していくのです。

「前へ!」社会で役立つ研究を共に

私は建築の水回りに当たる給排水衛生設備を専門としており、私自身が建築設備を専門とする設計者でもあることから、研究室では、実務設計者が設計するための設計資料や、新しい設備システムについて扱うこともあります。その研究の進め方は、社会的需要の抽出から始まり、改善方法や仮説の立案・検証と、実験などによる現象の把握・分析を繰り返した後に、実務で使用しやすい設計資料や設計法を整理するという作業です。

これは一例ですが、大学では自分たちで新しいアイデアを出し、新しい物事や価値観を創出しています。その実現のためには、皆さんが自発的かつ能動的に活動し、粘り強く取り組む姿勢が重要です。このことは高校時代と大きく異なる点で、大学入学初期などは苦労もします。しかし、これを体現することで自己成長を加速させることができます。ぜひ、ひるむことなく積極的に取り組んでください。そして、そんな皆さんをわれわれ教員は全力でバックアップします。さあ、共に「前へ!」。

理工学部めいじろう
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