現在のお仕事について
須川さん(以下:須川) 海猿など、これまで話題の映画をたくさん手がけておられますが、そもそも映画プロデューサーとは、どういう仕事なのか教えてください
安藤さん(以下:安藤) 一言でいえば、映画作りの一番の責任者です。企画を立て、資金を集め、監督を決めて、撮影に入ったら進行をチェックしながら、予算管理を行い、公開されてからは商業的な責任も負います。ただ、プロデューサーによって、得意な部分が違うので、やり方は人それぞれです。また、スタッフの健康や安全を確保することも、より良い作品にするための大事な仕事です。
須川 資金を集める、というのはスポンサーを募るということですか?
安藤 現在は、企画を提案して、テレビ局や配給会社、出版社などから出資を募る製作委員会方式が一般的です。俳優や監督、カメラマン、照明、衣装、大道具などなど、それこそたくさんの人が、何カ月もその映画の制作にかかりきりになるわけですから、億単位の資金が必要になります。その折衝もプロデューサーの腕の見せ所です。
須川 お仕事のやりがいは何でしょうか?
安藤 それはやっぱり映画がヒットすることですね。もちろん映画はビジネスでもあるので、映画がヒットして、出資してもらった以上の収益を得ることはとても重要です。でも、単に儲かったからうれしいということではなく、映画という作品を通して、世の中の多くの人とコミュニケーションできたという手応えを感じられることが、一番のやりがいです。
須川 多くの人が映画を観て感動したり、楽しい時間を過ごしたりしています。
安藤 そう。いま、この表現を見てもらいたいという想いで創った1本が、結果として多くの人に理解され、共感してもらえることが何よりのよろこびです。なぜ映画をつくるかといったら表現したいからなんです。ときには批判を浴びることもあるけれど、それでも何の反応もないよりはずっといい。だから、企画を実現することに全力を傾けるんです。
須川 一番印象に残っている作品は何ですか?
安藤 映画プロデューサーとして初めて手がけた「7月7日、晴れ」です。やはり、生まれて初めての映画なので思い入れがあるし、本広監督のデビュー作でもあり、なおさら思い出深いですね。
株式会社ロボット 常務執行役員 安藤親広さんにインタビュー【第2回】は、こちら(2017年5月17日公開)
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