株式会社ロボット 常務執行役員 安藤親広さんにインタビュー【第3回】―明大生へのアドバイス・動画メッセージ―
株式会社ロボット 常務執行役員 安藤親広さんにインタビュー【第2回】は、こちら(2017年5月17日公開)
明大生へのメッセージ
須川 学生に向けて、アドバイスはありますか?
安藤 視野を広く持つことは大事だと思います。例えば映画がやりたい、というとそれができる場はピンポイントになってしまうけれど、その枠を「映像制作にかかわる仕事」にすると、いろいろな業種が見えてくるように。それから、仕事は外から見ていてもわかりません。理想の会社と思っても入社してみたら全然違った!ということもある。先輩の声だって参考にはなるけど、しょせん他人の感想です。転職するのは当たり前の時代になって、経験をもとにステップアップすることはいくらでもできるから、就職浪人などはまったく時間の浪費だと思います。とにかく、まず経験することですね。
須川 やはり、経験することが大事ですか。
安藤 僕も、若いときは経験が何だ!と思っていたけれど、いまはその大切さを感じています。若いうちはできなかったことが、10年続けているとできるようになる。才能ではなく、技術として身につくから、経験で飯が食えるようになるんです。仕事って何でもそうだと思うけれど、予期せぬトラブルやピンチがたびたび起きますが、それらをひっくり返す気概と、予想外の展開も含めて楽しむ気持ちがなければ、なかなかできません。でも経験を積むことで、どこを押さえておけばいいかがわかるようになるんです。大企業だって安泰ではない時代なのだから、どんな場所でもチャレンジして経験を積んでいくほうが良いと思います。
須川 これから社会に出る上で、心がけるべきことはありますか?
安藤 僕自身が大事にしていることですが、人の評価に頼らず、自分で見て確認して、五感で判断するように心がけています。それは社会人になってから意識するようになったことですが、世間一般に常識とされていても、実は間違っていることがたくさんあるんです。僕がCMの世界で経験してきたことが、映画界では新鮮な驚きで迎えられたように、その世界の常識とされていることや、いままでのやり方を「本当かな?」と、まず疑ってみて、自分で確かめることが大事です。そういう意味でも、とにかくまず一歩を踏み出してほしいですね。
須川 ありがとうございました。では最後に明大生へのメッセージをお願いします。
安藤 最後は、自分が興味を持っていることを選ぶのが良いと思います。どんな仕事も楽しいだけではないし、何かよりどころになるものがないと辛いだけになってしまう。一度、自分のことを客観的に分析して、何がやりたいか、何はやりたくないのか、価値観を定めて前へ進んでください。
安藤さんのプライベートについて
映画
プライベートではミニシアターなどで上映される作品を観ます。ある意味、自分が作っているものと正反対のものですね。
本
読書はしなくなりました。映画原作になりそうなものなど、仕事で読まなければいけない本がたくさんあって、いまはそれで精一杯です。
音楽
家に誰も使っていないベースがあるので、久しぶりに弾いてみたいと思っています。もとは作詞作曲研究会というサークルに入りたかったくらいなので、楽器はもっとうまくなりたいですね。
安藤親広さんから明大生へ動画メッセージ
株式会社ロボットの安藤さんが制作に関わった次回作が、2017年6月10日に公開予定!
After the Interview…
商学部3年 須川拓海さん
映画を創る上では、観客の視点で考えることを大事にしていると話されていた安藤さん。それは、きっとどんな仕事にも共通する大切な心得だと思いました。これからの人生に役立てたいと思います。
内容はインタビュー当時(2017年2月21日)のものです。
1986年明治大学商学部卒。大学では広告研究部に所属。卒業後、広告制作会社に入社。その後、設立間もない株式会社ロボットに移り、数々のテレビCMを手がけた。1995年、映画部へ異動し、「7月7日、晴れ」で映画初プロデュース。以後、「踊る大捜査線The Movie」「海猿」「ALWAYS 三丁目の夕日」などヒット作を連発。現在はエグゼクティブプロデューサーとして、マネジメントと後進の指導にもあたっている。
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