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スペシャル・インタビュー
2022.08.18

【特集・第1回】広島東洋カープ選手 森下暢仁さん スペシャルインタビュー「スタジアムを真っ赤に染めるファンのために」

こちらの記事は、「明治の“いま”がこの1冊に!」 季刊 広報誌『明治』第94号「この人に聞く」からの転載になります。

東京2020オリンピックの野球では決勝のマウンドを任され、 無失点で勝利投手となり金メダル獲得に貢献した森下さん。 高校卒業と同時にプロ野球へ挑戦することを夢見ていましたが、 硬式野球部の監督や先輩の熱い気持ちを受け、明治大学への入学を決めます。学業と部活の両立や、多くの人との「つながり」をつくることができた時代は、卒業後すぐにプロの世界で活躍をする森下さんにとって、 決して「遠回りではない4年間」でした。
プロフィール広島東洋カープ選手 森下暢仁さん(2020年政治経済学部卒業)

  • 1997年大分県生まれ。2020年明治大学政治経済学部卒業。
  • 大学では体育会硬式野球部で投手として活躍。東京六大学野球リーグ戦で通算15勝を上げ、春秋通じて3度のリーグ優勝に貢献。2019年の全日本大学野球選手権では同部38年ぶりの優勝を果たし、最高殊勲選手賞と最優秀投手賞を受賞。
  • 2019年プロ野球ドラフト会議で広島東洋カープから1位指名を受け入団し、2020年度最優秀新人を受賞。2021年の東京オリンピックでは決勝の米国戦に先発、勝利投手となり金メダル獲得に貢献。2021年に紫綬褒章。2022年に明治大学特別功労賞を受賞。

スタジアムを真っ赤に染めるファンのために

――(聞き手・竹山マユミさん〈フリーアナウンサー/広報誌『明治』編集委員〉)プロ2年目で迎えた2021年は東京オリンピックもありましたが、どのような1年でしたか?

森下さん(以下:森下) 1年目と比べて調子が悪い期間を経験し、つらい時期もありましたがプラスになるシーズンだったと思います。オリンピックは特に思い出に残る試合になりました。オリンピックに出場すること自体なかなかできないことですし、その上で金メダルを獲得できたことは今後の人生を考えてもそうそうできる経験ではないと思います。とても素晴らしい経験をさせていただきました。

――森下選手は高校時代から各世代の日本代表に選抜されていますが、トップチームでの代表はいかがでしたか?

森下 高校、大学では、自分が最上級生になると代表に選ばれたいという思いが強くなりましたが、トップチームは年齢層も幅広く、自分がこれまでテレビで見ていたような選手と一緒にプレーをすることになるので緊張しましたし、レベルの高さを痛感しました。

――勝たなければいけない試合が続く緊張感、その中での若手の役割などはありましたか?

森下 チームの雰囲気がとても良かったので、負けるイメージは誰も湧かなかったと思います。私はチームの中でも若い方でしたが、先輩方が気を使ってくださいましたし、何よりみんなでチームをつくり上げていたので、「若いやつがやれ」といったことはありませんでした。本当に素晴らしい選手たちの集まりなので、プレーだけでなく日頃の行動や言動を間近で見ていて、自分もこういう選手にならないといけないなと思いました。

――プロ野球を目指したきっかけを教えてください。

森下 高校に入るまでは「野球を続ける」ということしか考えていなかったのですが、大分業高校時代の1歳年上の先輩が高校卒業と同時にプロ入りするのを見た時から意識をするようになりました。

実際にプロ野球選手になることができましたが、初めてのシーズンはちょうど新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃でした。無観客試合というところからスタートしたので、お客さんが入ったスタンドの光景を見た時に、あらためてプロ野球選手になったと実感することができました。

カープにはたくさんのファンの方がいるので、皆さんに楽しんでもらったり少しでも力になれたりできたらいいなと思っています。まだマツダスタジアムが真っ赤に染まった光景を見ることができていないので、早くあの中で投げたいですね。

ドラフト指名後、大学に駆け付けた佐々岡監督と(本人右)

――プロ入り後にうれしかったことや苦労されたことはありますか?

森下 まずは1年目のシーズンをけが無く終えることができ、新人王を取れたりオリンピックの代表に選ばれたりしたことで、皆さんに少しは恩返しができたのではないかとうれしく思っています。

コロナ禍で外食ができず、ホテルにいる時間が多いことをストレスに感じることはありますが、普段から周りの方々がきめ細やかにサポートをしてくださるので、あまり苦労をしたと感じたことはないですね。カープは先輩方もとても優しいので、やりやすい環境だと思います。

――歴代の方々を振り返っても、カープで背番号18番を背負うというのは重みがあるのではないでしょうか?

森下 以前18番をつけていた佐々岡真司監督が就任されたタイミングで入団し、私の前は前田健太さんがメジャーリーグに挑戦されて以降空いていた番号だったので、結果を残さないといけないなと身の引き締まる思いでした。

――2022年のシーズンを含めて、今後の夢や目標を教えてください。

森下 コロナ禍で難しいところはありますが、やはり多くのお客さんが入った球場で投げたいという思いが強いです。自分が入団して以来優勝争いから遠ざかってしまっているので、今年は1年間ローテーションを守ってチームに貢献し、リーグ優勝、そして日本一を目指していきたいです。また、その中で、取れるタイトルは全部取りたいと思っています。

>>【特集・第2回】では、「つらい時には無理をせず、人に頼ることも大事」についてお聞きしています!(8月19日公開予定)

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、季刊 広報誌『明治』第94号発行当時のものです
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