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スペシャル・インタビュー
2017.08.02

株式会社エアスパイス 代表取締役 カレースター 水野仁輔さんにインタビュー【第1回】ー現在のお仕事についてー

学生卒業生インタビューエンタメ

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1998年に商学部を卒業し、株式会社エアスパイス代表取締役として活躍されている水野さん。約20年もの間、カレーの活動をしているスペシャリストで、肩書は「カレースター」。 日本全国のイベントでのライブクッキング、カレーやスパイスの専門家としての雑誌やテレビ出演、100冊以上のカレーの本に携わるなど、その活動は多岐にわたります。現在は「カレースター計画」という活動で、「カレーの車」というフードトラックでの移動販売や、「カレーの学校」という通学講座を開いたりもしています。 そんな水野さんに、同じ商学部に在籍する4年生の山下さんから、お仕事のことや学生時代のことなどについて、インタビューしてもらいました。

カレースター?

山下(以下:山下) カレースターという肩書について、詳しく教えてください。

水野(以下:水野) カレーの活動を始めてから20年ほど経ちますが、僕が活動としてやっていることは、カレー屋でもカレー研究家でもないですし、料理家でも、グルメライターでもないので、カレーというジャンルで一般的に認識されている職業のどれとも違います。活動するときのプロフィールの肩書がなくて、ずっと困っているという話をコピーライターの糸井重里さんにしたら、糸井さんから「カレースターとか言っちゃったらいいんじゃないの」と言われました。

自分のやっている活動を説明する肩書はこれからも付けられないから、だったらもう何でもいいのではないかと思っていたところだったので、それならカレースターにしますくらいの感じでした。自分の中では、既存にないことをやっているという自負はあります。カレースターの肩書がほしいという人がほかにいたら、すぐにあげようかなと思っています。そうしたら僕は何か別の、カレーの人みたいな別の肩書を付けようかと思います(笑)。

現在のお仕事について

山下さん まずは、お仕事の内容についてお聞きしたいです。

水野さん 一番メインでやっているのは、エアスパイスという事業で、今日はそこで扱っている商品を持ってきました。

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レシピ付のスパイスのセットです。中を開けると、チキンカレーを作るレシピとスパイスが入っています。カレーを作る時って、みんなスパイスをそろえるのが一番面倒なんですよね。それが4人分のセットになっているので、あとはスパイス以外の材料の、玉ねぎやにんにく、鶏肉などを買えば、チキンカレーができます。このようなセットを作っていて、毎月違う種類のカレースパイスが自宅に郵送で届くようになっています。自分の家にスパイスを常備しておかなくても、これがあれば、ドライキーマカレーやミックスベジタブルカレーなど、いろいろなカレーを作ることができるんです。

山下 毎月違う味を楽しめるんですね。

水野 どのカレーを作るのに、どのスパイスがいいというのが毎回違うのですが、この商品に関してはインドで調合していて、パッケージしたものを日本に運んで販売しています。

山下 水野さんがスパイスの組み合わせなどを考えたのですか?

水野 そうですね。僕がレシピを開発しています。今はルーで作るカレーがほとんどですが、最近はスパイスから本格的にカレーを作ってみたいという人がすごく増えています。その人たちがハードルに感じているのが、自分でスパイスをそろえるのが面倒くさいとか、何を買っていいか分からないとか、買ってきても余ったスパイスがずっと、他に使い道がないままキッチンに置いてあって困る、といったことで、このサービスがあれば、気軽にスタートができるのではないかと思い、この商品の販売を始めました。

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山下 今のお仕事をしようとしたきっかけを教えてください。

水野 エアスパイス自体は、もともとはビジネスとしてやろうとか、事業としてやろういう気持ちは全くありませんでした。単純に、スパイスだけで作るカレーってすごくおいしくて、この味をみんなに分かってほしかったんです。でも、興味を持ち始めても、さっき言ったような壁にぶつかって、やっぱりやめようとなってしまう人が僕の周りにたくさんいて、それがとてももったいないと思っていました。スパイスカレーをみんなおいしいと言ってくれますし、その壁さえクリアできれば、スパイスカレーを作るのを好きになってくれるかもしれないと思ったんです。それなら、みんなが一番面倒くさいと思うスパイスをそろえる部分を、自分がやってみよう、と考えたのがきっかけです。

そのころは、まだサラリーマンだったので、趣味としてこの取り組みを始めました。本格的にやりたいという気持ちが出てきたのは、エアスパイスのおかげですごくおいしいカレーが作れたとか、スパイスに興味を持ったという人の声が入ってくるようになってきたのが、うれしかったからです。僕がみんなのためにしてあげられることがあるんじゃないかという、いい意味で勘違いをしたということも、理由の一つです(笑)。それがちょっとした使命感みたいになって、これをもっと僕はやらなきゃいけない、というような気持ちになりました。もっと本格的にやるために会社をやめて、事業としてやることにしましたが、立ち上げてからまだ約半年なので、これからという感じです。

株式会社エアスパイス代表取締役 カレースター 水野仁輔さんにインタビュー 第2回はこちら(2017年8月3日公開)

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