【第1回】体育会スケート部 樋口新葉さん 特別功労賞贈呈トークイベントは こちら
自分の大切なもの、目標を軸に
――念願の出場となった初めてのオリンピックの舞台で、団体戦で銅メダル(暫定)を獲得されました。
樋口 団体戦では、私が滑るまでにチームメイトがミスなくつないできてくれていたので「自分もチームに貢献できるように」という気持ちで挑みました。個人戦と違った雰囲気にとても緊張しましたが、そのことがまた一つの経験となり、個人戦でも頑張ることができたと感じています。
――団体戦から個人戦の間には、気持ちの変化などはありましたか?
樋口 団体戦ではショートプログラム(ショート)に出場しダブルアクセルを跳びましたが、本当はトリプルアクセルを跳ぶ予定で練習をしていました。トリプルアクセルに挑みたい気持ちはもちろんありましたが、ミスをしたらメダルを取ることができないと分かっていたので、チームに貢献することを意識しました。
個人戦では、自分の練習してきたことを全て出したいと思っていたので、ショート、フリー(フリースケーティング)ともにトリプルアクセルを絶対に跳んで、ベストを尽くしたいと考えていました。
――個人戦のショートプログラムで5位となり、フリーでは最終組での演技となりましたね。
樋口 今日と同じくらい緊張しました(笑)。オリンピックの最終組で滑ることができるなんて、本当に緊張しましたが、とにかく「自分のできることを最大限にやって結果を残したい」ということだけを考えて滑りました。フリーでは一度転んでしまうなど悔しい部分もありましたが、トリプルアクセルをショート、フリーともに跳ぶことができたので、一歩前へ進めた大会になりました。
――フリーの演技後に「いつも転ばないところで転んでしまった」というコメントがありましたね。
樋口 集中しているつもりでも、普段とは違う精神状態だったのだと思います。大きな舞台で普段通り演技をすることが難しいのは分かっていましたが、すごく悔しいです。それでも、これまでの自分であればそのまま引きずってしまう場面で、気持ちを立て直して最後まで滑ることができたことは良かったと思います。
――苦しい時にそれを乗り越える秘訣があれば教えてください。
樋口 当たり前のことですが、「自分の目標に向けて頑張る」ということが、一番大切だと思います。私は他の選手と比べてしまう部分があり、それによって感じなくてもいいストレスや不安を抱え、素直に目標に向かうことができない時期がありました。そのことを見直して、今は他人と比較することなく、自分の目標に向かって練習をして試合に臨むことができるようになりました。
――樋口選手にご登場いただいた大学ポスターにも「自分らしく成長する」というメッセージがありますが、そうした思いが込められているのですね。
樋口 フィギュアスケートの選手としては、他の人と比較して自分に足りない部分を考えることも大切だと思います。しかし、私の場合は自分にとって大切なものや目標としていることを軸に置き、それを1年間、1週間、1日と目標にして頑張ることが大切だと分かりました。そういうことを大事にしたいと思って「自分らしく成長する」と書きました。

>>【特集・第3回】では、「多くの仲間に恵まれた学生生活」についてお聞きしています!(7月21日公開予定)
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