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スペシャル・インタビュー
2019.05.28

【特集・第2回】日本テレビ放送網株式会社アナウンサー 伊藤遼さんにインタビュー

・第1回】日本テレビ放送網株式会社アナウンサー 伊藤遼さんに こちら

新しいことにチャレンジできている、と緊張を楽しむ

水野 人前で話すことはもとから得意でしたか?

伊藤 の時は生徒会長をしていたほどだったので、得意か不得意かは別として、間違いなく好きだったと思います。ただ、中学校・高校と進むにつれて、人前で話すことに少し抵抗が生まれてきてしまった時期があって。

水野 そうなんですか。

伊藤 高校では訓練したいと思い放送部に入りました。そこで、NHKさんが主催する大会など、さまざまな大会に出たことで、人前で話すことや、人前で伝えることの魅力に改めて気付かされました。

高校は男子校だったのですが、一度私が大会で勝ち進んだ時に、顧問の先生から「集会で時間を作るから、度胸を付けるために全員の前で今から自分の原稿を読め」と言われたことがあります。生徒は何百人、もしかしたら1000人くらいいて、中には「放送部って何してるの?」という人もいる前で原稿を読んだんです。その時は相当足が震えていて、手も震えて原稿が持てなかったほど緊張しました。それ以上の緊張はいまだに経験したことがありません。あの経験があったからこそ、人前で話すことへの抵抗がなくなり、度胸がついたと思っています。

水野 今の話にかかわるかもしれませんが、緊張しないで上手に話すコツはありますか?

伊藤 いやあ、緊張しますよ。今も緊張していますし、今朝のオンエアも緊張しました。

水野 慣れとかはないですか?

伊藤 全くないです。アナウンサーは、同じ原稿を読むことがほぼなくて、毎回が新しいことなので。水野さんは今大学1年生で、もうすぐ2年生ですよね。1年生の間は新しいことばかりで、すごく緊張しませんでしたか?

水野 緊張だらけでした。

伊藤 それと同じで、私も緊張しっぱなしです。

水野 ああ、なるほど。

伊藤 ただ、新人研修で先輩に言われて突き刺さっている言葉があって、「緊張を楽しめなくなったら終わりだ」と言われたんです。「毎日が新しいことだから、その手の震えや緊張から‟今緊張できるような現場にいるんだ”っていうことを楽しめなくなったら、アナウンサーとしてのやりがいに限界があるよ」という話をされました。そういう意味では、緊張している自分は、新しいことにチャレンジできているんだなととらえて、楽しめていると思います。

水野 その緊張を悪い方にとらえるんじゃなくて、プラスに使っていくんですね。

伊藤 失敗してしまったときは、「緊張しないで、もっと堂々とやればよかったな」とか、悪い方にとらえてしまうことも正直ありますが、それも経験だと思います。新人のころなんて、その連続だったので、今は去年よりも楽しめるようになったかなと思います。

アナウンサーに必要な能力は?

水野 では、アナウンサーに求められる能力は何ですか?

伊藤 いやあ、私は4月でちょうど入社3年目になるので、アナウンサーに求められる能力なんておこがましいことは申し上げにくいのが現状ですね。今そのアナウンサーに求められる能力を見つけるために、若手アナウンサーとしてがむしゃらに業務に臨んでいます。

水野 なるほど。

伊藤 逆に、アナウンサーにはどんな能力が必要なイメージがありますか?

水野 どんな状況でも言葉が出てくるイメージがあります。

伊藤 本当に大切だと思います。その能力、欲しいです。

水野 もうあるんじゃないですか?

伊藤 日々の業務が、それをどんどん磨いていく作業だと思っています。アナウンサーに求められる能力って尽きないと思います。強いて言うなら、何事にも興味を持てるような性格だとアナウンサーの仕事はとても楽しいと思います。

水野 常にさまざまな新しいことにかかわる仕事ということで。

伊藤 まさにそうです。

アナウンサーは「毎日がディズニーランド」

水野 仕事をする上で心掛けていることはありますか?

伊藤 「見られている」ということは、心掛けているかもしれません。現場に出た時も、多くの方に見られているんだという意識を持つと、背筋がピンと伸びますね。

水野 では、アナウンサーの「面白い」と感じるところは何ですか?

伊藤 毎日が新しい発見の連続なので、全く飽きないです。明治大学の先輩で体育会出身の、弊社の謙吾アナウンサーと山本紘之アナウンサーが『明大』で対談している様子が、アナウンス部の部内にドーンと貼られているんです。

そこで中野アナウンサーが「毎日がディズニーランドみたいだ」という表現をしていて。初めてそれを見たときは、すごく斬新な表現だと感じたのですが、その言葉を借りられたら借りたいくらい、全く飽きが来ることがありません。同じ番組でも毎日違うことが展開されているので、違うロケをやって、違う取材をして、と全く違う出会いの連続で、そこは本当に魅力だと思いますね。

水野 逆に、「難しい」と感じるところは何ですか?

伊藤 またそれも新しいことの連続ということになりますが、自分の経験を当てはめることができるかどうか、非常に迷います。そこで失敗することもあります。インタビューをしていても、同じようなインタビューをしたことがあるから、この間と同じ聞き方をしてみようと思っても、違う人にインタビューしているので、全く違う答えや反応が返ってきます。相手や現場によって対応を変えなくてはいけない、自分の経験をなかなか生かしきることが難しいというのは少し感じます。

だからこそ、先輩の話を聞くことは大事だなと感じますね。より多くの経験をしているので、先輩の経験を頭の片隅に入れておくと、「先輩がこういうことを言っていたから実践してみよう」というように、また自分のより深く濃い経験ができます。難しいと感じることと魅力だなと感じることが紙一重の職業だなと感じますね。

水野 そういうところもひっくるめて面白そうですね。

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、インタビュー当時(2019年3月27日)のものです

>>【第3回】では、伊藤さんが明治大学に入学した理由や、所属していたゼミナールについてお聞きしています!

※ページの内容や掲載者のプロフィールなどは、記事公開当時のものです

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