【特集・第4回】日本テレビ放送網株式会社アナウンサー 伊藤遼さんにインタビューは こちら
アナウンサーを目指すには?
水野 アナウンサーになりたいと思っている学生は、学生の間にどんな準備をすると良いと思いますか?
伊藤 よく「アナウンサーの心構えは何ですか?」と聞かれます。でも、それは人それぞれだと思うので、それよりも自分がアナウンサーになってどんなことをしたいかを、明白にイメージすることが大事だと思います。
水野 なるほど。
伊藤 私は「朝の番組をやりたい」と思っていたので、学生時代、朝に強い男を想像して早朝のアルバイトをしました。また「サッカー実況に携わりたい」という思いも強かったので、実況している自分を想像しました。でも、私はサッカー経験がないので、サッカー観戦の数だけは人に言えるくらいの数までやっておこうと思いました。学生時代も、学生サッカーを含めて、スポーツの現場には暇さえあれば友人やサークルの後輩を連れて一緒に行っていました。
「こういうことをやればアナウンサーになれる」ではなくて、「こういうアナウンサーになる」と想像すれば、そのためにはこういう行動をすれば少しは近づけるんじゃないかという具体的なイメージが、自ずとできてくると思います。
水野 朝の情報番組やサッカーの番組などには、どうして携わりたいと思ったのですか?
伊藤 小さいころから『ズームイン!!SUPER』で司会をしていた羽鳥慎一アナウンサーと西尾由佳理アナウンサーを見て、物心ついた時から日本テレビかっこいいなと思っていて。そこから日本テレビを志望し、朝の番組に携わりたいと思うようになりました。
『ZIP!』に代わっても、桝アナかっこいいなと思っていて、朝の番組で少しでもああいう方々と一緒に働けたらな、ああいう方々に近づけたらなと思っていました。サッカーはもともと見るのが大好きで、今でもプライベートでサッカー観戦に行きます。サッカーの魅力や、「こんなにすごいプレーがあるんだよ」ということなどを、サッカーの魅力を知らない人にも知ってもらいたいです。それにはやはり、サッカー中継に携わることが一番かなと思っています。
趣味が仕事につながる。アニメ好きは強みの一つ
水野 今までの話に出てきている部分もあるかと思いますが、趣味や特技を教えてください。
伊藤 趣味はサッカー観戦と、漫画やアニメを見ることです。アニメが大好きで、それを言い続けていたら、『アイキャラ』というアニメの番組を担当させていただくことになりました。日本テレビのアナウンス部で、私ほど熱狂的なアニメのファンはいないと思います。サッカーが好きな人や、ワールドカップでサッカー中継をしている人はたくさんいますが、アニメのイベントにプライベートで行ったり、声優の皆さんのライブに行ったりしているアナウンサーはほとんどいないと思うので、そこは私の強みの一つだと思っています。
水野 好きなことが仕事に生きているんですね。
伊藤 本当にそうです。『アイキャラ』は、バカリズムさんや、「Base Ball Bear」というバンドの小出祐介さん、でんぱ組.incの元メンバーの夢眠ねむさんと、この1年間担当しました。そこでインタビューさせていただいた声優の方は、私がずっと応援していた人だったので、やりがいがありました。
水野 普段はどんな番組をよく見ますか?
伊藤 日本テレビのものも見ますけど、放送局には縛られず、他局のものもよく見ます。むしろこういうことをやっていたという発想になるので、すごく勉強になります。バラエティ番組やスポーツ番組、アニメを見ることが多いですね。
水野 影響を受けた番組はありますか?
伊藤 『ズームイン!!SUPER』と『ZIP!』です。自分が朝の番組に出ているのが、いまだに信じられないです。今も出演し続けていますが、いつ違う番組の担当に代わるかも分からないので、今の業務を一生懸命頑張ろうと思っています。
今後の目標・明大生へのメッセージ
水野 では、今後のお仕事の目標を教えてください。
伊藤 がむしゃらに、一つひとつ目の前の仕事を頑張っていく中で、自分の理想がだんだん変わってくるので「この人」というのは正直ないです。しかし軸にあるアナウンサーとしての目標はやはり「伊藤遼アナが言っているから信頼できる」と言われることだと思います。
去年は災害が非常に多かった1年でしたが、その中で、日ごろからどれだけ信用されているかによって、いざというときにその番組を見ている人に「逃げてください」と早く言うことで、私たちが救える命があるかもしれないことを実感しました。そういう意味では、信頼されるアナウンサー、信頼される番組作りが一つの目標です。自分が担当している番組が信頼される番組になるように、そして自分自身も信頼されるようなアナウンサーになることが、今の一つの目標です。
水野 最後に在学生へのメッセージをお願いいたします。
伊藤 卒業して2年しか経っていない私が言うのは本当に恐縮ですが、授業も友達との会話も、全部が自分のこの先の武器になります。それはアナウンサーという職業だけではなく、ほかのさまざまな職業に就いたときでも、そのときの会話や経験が自分を助けてくれることは間違いありません。
具体的に「こういうことをすると良いよ」というアドバイスではなくて、毎日をどれだけ一生懸命過ごして、一生懸命楽しめたか。そして、一生懸命悩んで苦しんで、達成できたか。懸命に1日1日を過ごすということは、非常に大事だと思います。
趣味や特技がなくても、何気なく食べに行ったラーメン店も、自分を助けてくれます。何気ない日常を大切にできるかどうかで、就職活動とその先が決まってくると思うので、なあなあになりがちな大学生活を、大切な1日ととらえて過ごしてほしいと思います。
水野 ありがとうございました。
After the Interview…
伊藤さんのお話しする姿からは自分の職業に対する自信や誇りが感じられ、またその仕事が好きという気持ちが溢れていました。その姿は輝いて見えましたが、それはアナウンサーという職業に対する幼いころからの真っすぐな思いと多くの努力があるからこそだと思います。「自分が経験した事すべてが仕事に役立っている」という言葉が印象的でした。今後は将来を見据えながらも目の前のこと一つひとつを大切にして過ごしていきたいです。
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